内容説明
「批評」の終幕、そして「小説」の到来。小説という問題への探求、その思考の足跡をすべて刻んだ文芸批評家としての最後の主著。
これは「小説」の到来をめぐる書物である。「小説」は誰かに(私に?)よって書かれるのではなく、
誰かのところに、私のところに、或る時、とつぜんにやってくるのだ。
私はそう思っている。
――あとがきより
ボルヘス、高山羽根子、ウィトゲンシュタイン、円城塔、保坂和志、
マルクス・ガブリエル、筒井康隆、ゴダール、セザンヌ、ロラン・バルトetc.
「世界」「神」「無限」――、マクロなテーマについて思考することが、
いつのまにか「小説」の到来を呼び込む、そんな目論見に沿った論述は、どこに向かうのか?
目次
第一章 方法序説
第二章 世界を数える
第三章 神を超えるもの
第四章 全体論と有限
第五章 小説の準備
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
10
とてもドキドキしながら楽しく読んだのだけど、内容をまとめようとするととんと思い出せない。ジャンルを平然と無視しながら書かれる文芸批評として、すこぶる魅力的。冒頭のスペースノットブランクの舞台から始まり、演劇・思想書・映画・小説と、あらゆる作品の説明と読解が繰り返されるのだが、どこにいくのか全く分からない読書となる。結果的に、時間と全体を巡る一つの小説論となるが、じゃあどんな小説の輪郭が出てきたのかといわれると言葉にできない。2024/07/19
田中峰和
5
「それを小説と呼ぶ」のそれとは何なのか?思わせぶりなタイトルだが、著者が考える小説の概念は一言で表せない。様々な作品とその他の表現を手掛かりとして、著者の考えが書かれているが、読み終わっても理解できたとは思えない。取り上げられる作家として、ボルヘス、ウィトゲンシュタインから、高山羽根子、円城塔、筒井康隆など範囲は広い。著者自身迷路を彷徨うように、未知の異国を旅するように、まぎれもない確信を抱きつつ書き綴っている。その確信とは何か。読者はその意味もつかめないまま読み終えるのだろう。2021/03/25
こうきち
2
うむ。哲学か2024/10/07
ヤマニシ
0
「複数のことを、多数のことを、無数のことを、出来る限り一度に、可能な限り同時に、考えてみたい。」(p57)2024/12/31
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