内容説明
生涯現役棋士であり続けた史上最強の名人・大山康晴。棋士は一局の勝負の中で負けを知り、それを自分に言い聞かせ、納得させる時が一番苦しいという。人生の最期の戦いの中で、いつの日、そのことを自身に言い聞かせていたのであろうか。 【目次より】●第一章 さようなら、大山さん ●第二章 将棋の道を歩き始める ●第三章 勝負は勝つことにあり ●第四章 過去の栄光を捨て出直す ●第五章 がんに勝つ、人生に勝つ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
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棋戦優勝回数、タイトル獲得数、通算勝利数など数々の記録を残した大名人の自伝。入門した時から晩年に至るまで常に目標は兄弟子・升田幸三であり、彼との勝負こそは大山の願いでもあった。若い世代の代表である中原誠戦との心理も披露されるが、相手ではなく常に自分との戦いを意識していたこと、またタイトルの獲得だけでなくそれをどれだけ保持していくかに執念を持っていたのかがよくわかった。羽生や藤井壮太に記録は更新されても、66歳でタイトル挑戦とかA級在位44期(名人含む)は容易には越えられないだろう。2024/02/15
トーマス
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大山康晴の自伝。まあ、綺麗ごとにまとめてる面はあるけど、トップを走り続けながら、なお目標を持ち続けるモチベーションや、スランプの芽を摘むといった姿勢がすごいね。あと、升田幸三を終生意識していたことが伝わって、仲が良くなかったとしても、いいライバル関係だと思った。まさに好敵手。強敵と書いてともと読む世界。2017/02/21
台所のティラノザウルス
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勝者の喜びと敗者の苦しみというものがほんの少しわかったような気がします2013/04/13
てらさか
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ぱっと開いて「升田さんが!升田さんが!」と書いてあるような本。兄弟子が好きで仕方なかったのかと思う反面それを相手によくあんな戦いを…とも思った。非情だ。2019/01/27