内容説明
「東大は、クソだ」。長年のタフな論争を闘い抜いてきた文芸評論家の原点は東大闘争、しかしながら大多数の同時代人とは異なり、医学部を中心に華々しく展開したメインストリームに較べれば幾分「地味」な文学部闘争にあった……。6年間の学生生活で著者がきたした変調、払拭し得なかった違和感とは。周りを囲む様々な知性との交錯を重ねながら、やがて導かれた独自の結論としての、「内在」から「関係」への転轍。かつて自身が幕末の尊王攘夷に用いた概念が、ラストでは加藤自身に照射される。2019年5月に急逝した日本を代表する文芸評論家が、まったく新しい文体で「パンドラの箱」に挑み、骨太な思想の淵源を初めて明かした、唯一無二の青春記。
目次
1 1966~1967
2 1967~69
3 1969~72
エピローグ
エピローグ
東大闘争簡略年表(文学部を中心に)
あとがき
解説 瀬尾育生
加藤典洋 単行本著書目録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
96
ある意味加藤さんの大学時代を中心とした自伝なのでしょう。加藤さんの本は「敗戦後論」しか読んだことがなくあとは雑誌などでの小文を見かけるだけでした。私とほとんど同年代なので当時の状況が読んでいるとよみがえります。私はノンポリで心情三派的な考え方で行動していました。加藤さんもそんなに積極的に闘争に参加したわkwではないような気もしますが、ご自分の青春の一時期を記念碑的な感じで口述筆記されたのでしょう。2020/12/10
ころこ
29
著者と編集の緊張関係が装丁も含めて良い本をつくる。帯の貧弱さ、不要な解説、一見して本のつくりが甘いことに気付きます。何かを残したいということに影響されているのか分かりませんが、晩年の著者に気になるのは否定と肯定のバランスが崩れていることです。「ぼく」だった一人称がタイトルにある通り「オレ」となっているのには驚きました。終始「オレ」です。全共闘の同時代的経験が『アメリカの影』に繋がるのは当然と言えば当然ですが、ここには表出されない屈折があったのではないですか、と指摘したくなります。2020/09/09
まこみや
10
60年代末の東大闘争は、加藤典洋さんの心の奥深く刺さった蹉跌だった。「二十にして心已に朽」ち、自己否定という逆説の中で身動きならず、零落の一途をたどる。とどめは「オレの気分の最後の帰結をオレに代わって体現した」連合赤軍事件であった。しかしその経験が、後に「転向論」の力学を生み、加藤典洋は僕たちの知る「加藤典洋」となっていく。人を生きることへ急き立てる生権力に対して抵抗しようとするあの「加藤典洋」である。今となっては、そんな彼の文章をもはや新たに読むことが叶わぬことが無性に悲しい。“夏草や兵どもが夢の跡”2020/09/28
chiro
3
個人的には最も親しみをもって読んでいた文芸評論家である加藤典弘氏が結果として自身の本源的なものを得ることとなった東大での6年間を綴った著作。氏の著作を読んでいたものとしてはその文体に驚くこと以上に氏が歩んできた道のりに驚いた。ここに記されている時代背景は何となくわかるのでその時代の中で氏が歩んできた道のりも友人関係についても氏が語るほどに特異なものとは思えないが、それがある意味特殊なものと感じさせてしまうのが東大なのかもしれないと感じた。2020/10/05
hose1239
2
晩年の筆者が病床で書き綴った、若い友人に向けた本。「東大はクソだ」の思いにかられながら、筆者の評論活動の原点が大学闘争に明け暮れ、そして敗れた時代にあったことがわかる。深い考察の末に書かれた評論とは全く違う、「無防備」ともいえる語り口に、人間的魅力を感じた。2023/11/18
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