デザインリサーチの教科書

個数:1
紙書籍版価格
¥2,860
  • 電子書籍

デザインリサーチの教科書

  • 著者名:木浦幹雄
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • ビー・エヌ・エヌ(2020/11発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784802511773

ファイル: /

内容説明

デザインリサーチなしには、もう何も作れない──。
日本で初めて、デザインリサーチの実践者がその全貌と詳細を書き下ろした一冊。

不確実性の高まる社会において、正しい問いを立て、正しいプロダクトを作り続けるためには、人々の気持ちになってプロダクトを作るのではなく、人々をプロダクト開発プロセスに巻き込み、人々の生活を理解し、人々と共にプロダクトを作る必要があります。そのための方法が「デザインリサーチ」です。

世界中の経営者が殺到するコペンハーゲンのデザインスクール、Copenhagen Institute of Interaction Design(CIID)で実践されている手法をベースに、日本でのプロジェクトをふまえて、より実践しやすく、かつ効果が得られるようにカスタマイズしたプロセスと考え方を、わかりやすく解説します。本書によって、近くスタンダードになるであろう、産業界におけるデザインリサーチの体系化された知見をインストールできます。

1章では、デザインへの注目、またリサーチに基づくデザインへの期待が高まる背景を紐解きます。2章では、デザインリサーチの特徴をマーケティングリサーチと比較しながら挙げ、デザインリサーチが貢献できる理由と範囲を定義します。メインとなる3章では、プロジェクト設計からチームビルディング、リサーチ設計、主となる調査と分析、さらにはアイディエーション、コンセプト作成、ストーリーテリング、プロトタイピングまで、デザインプロセスを俯瞰したうえで必要となる手順を解説します。4章では、デザインリサーチに組織で取り組み運用していくためのポイントを紹介します。

教科書と銘打っていますが、型通りではない現在進行系の分野における生きた教科書という意味であり、読者をこの世界に導くためのテキストブックです。

目次

はじめに
本書の構成

1 なぜデザインなのか、なぜデザインリサーチなのか
 1.1 デザインへの注目の高まり
  1.1.1 デザイン領域の拡大
  1.1.2 作り手の都合から、社会の都合へ
  1.1.3 社会の不確実性の高まり
  1.1.4 みんなでデザインする時代
 1.2 リサーチに基づくデザインへの期待

2 デザインリサーチとは何か
 2.1 デザインリサーチの概要
  2.1.1 本書におけるデザインリサーチ
  2.1.2 デザインプロセスにおけるデザインリサーチの範囲
 2.2 なぜデザインリサーチが必要なのか
  2.2.1 人々を理解し、人々からインスピレーションを得る
  2.2.2 人々とプロダクトを繋がりとして捉える
  2.2.3 社会に対する責任に応える
  2.2.4 不確実な未来に向けたディシジョンパートナー
  2.2.5 プロセスを透明化する
 2.3 マーケティングリサーチとデザインリサーチ
  2.3.1 マーケティングするためのリサーチ vs デザインするためのリサーチ
  2.3.2 ニーズは明らか vs 新たなニーズを探す
  2.3.3 統計を重視する vs 個人に注目する
  2.3.4 制御された環境下での調査 vs 普段の行動を通しての調査
  2.3.5 定量的なインタビュー vs 定性的なインタビュー
  2.3.6 典型的なユーザーに注目する vs エクストリームユーザーにも注目する
  2.3.7 客観的な分析 vs 体験を重視する
  2.3.8 顧客を理解するvs 顧客と環境を理解する
  2.3.9 手の中の問題にフォーカスする vs インスピレーションのために積極的に外を見る
  2.3.10 最後の仕上げにテストする vs プロセスを通してテストする
 2.4 デザインリサーチのフェーズと適用範囲
  2.4.1 3種のリサーチ
  2.4.2 リサーチが対象とする範囲(スコープ)について
  2.4.3 新規プロダクトの開発
  2.4.4 既存プロダクトの改善
  2.4.5 組織改善・業務改善

3 デザインリサーチの手順
 3.1 デザインプロセス
  3.1.1 デザインプロセスとデザインリサーチ
  3.1.2 どこまでをデザインリサーチとするか
 3.2 プロジェクト設計
  3.2.1 何のためのプロジェクトか
  3.2.2 プロジェクトメンバー
  3.2.3 プロジェクトスケジュールと予算
 3.3 チームビルディング
  3.3.1 そもそもチームとは何か
  3.3.2 チームの成長
  3.3.3 チームビルディングワーク
  3.3.4 プロジェクトに対する認識を揃える
  3.3.5 チームでパフォーマンスを発揮するためのテクニック
 3.4 リサーチ設計
  3.4.1 リサーチの目的を定める
  3.4.2 リサーチのプロセスを定める
 3.5 調査
  3.5.1 インタビュー(デプスインタビュー)
   3.5.1.1 インタビュー計画
   3.5.1.2 インタビュー準備
   3.5.1.3 インタビューテクニック
   3.5.1.4 インタビューで得た情報のまとめ方
  3.5.2 観察
   3.5.2.1 観察で得た情報のまとめ方
  3.5.3 ワークショップ
  3.5.4 デスクリサーチ
  3.5.5 エキスパートインタビュー
  3.5.6 インターセプトインタビュー
  3.5.7 フォーカスグループインタビュー
  3.5.8 オンラインサーベイ
 3.6 分析
  3.6.1 リサーチ分析の概要
  3.6.2 ダウンロード
  3.6.3 テーマ作成(分類)
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hiroo Shimoda

6
まさにテキスト。実務でデザイン思考にトライするために役立ちそう。mover,follower,opposer,bystanderのframeworkはチームでの対話活発化に使える。2021/08/05

カエル子

4
「人々や社会などプロダクトが置かれる状況を理解するためのリサーチ」を「デザインリサーチ」と呼ぶ。で、「プロダクト」には「サービス化したプロダクト」も含まれる。デザインリサーチを実施するのは、考え得る可能性を広く捉えたうえで、その中のどこに焦点をあてるべきか意思決定をできるようにするため。リサーチ結果を次のフェーズへ渡すのではなくデザイナーと一緒にリサーチもデザインも進めていくべし。そんな大前提の話から実際の進め方と注意点まで網羅する良書。ただし「深掘り」が終始「深堀り」になっているのが残念でたまらない笑。2023/08/14

dai

3
デザイン、リサーチはこの本を読めば一通りできるなって思える本です。ちょうど今の仕事内容がどのプロセスに該当するか、読みながら頭の整理ができました。 インプットだけだと知った気になるので、これを読んだ人は一度実践してみると良い。 ・体系的な説明はUXデザインの教科書 ・一通りのプロセスを試すときはデザインリサーチの教科書 ・ワークショップ設計、運営、問の立て方は問いのデザイン のように、使い分けるといいかも!2021/09/11

MH

1
考え方の整理に

Atsumi_SAKURADA

1
産業界で製品を作る過程において「人々や社会などプロダクトが置かれる状況を理解するためのリサーチ」(46)を体系的に指南した本です。都度に図表が挿入されていますが、文章による説明が主で、一歩ずつ理論と具体例を往復する構成です。本文での頻繁なカタカナ語や英単語からこの営みの輸入に現代の外来の概念を多く要すことがよくわかりますが、海外と国内で経験を積んだ著者に日本語で書かれたことの意義は大きいです。本邦の中等教育のPBLで導入が期待されますが、指導の環境整備そのものにもデザインリサーチを要しそうです。2023/11/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16892664
  • ご注意事項

最近チェックした商品