内容説明
他者を理解したい、つながりたいと思ったときに必然的に生じる摩擦熱が、差別の正体だ。「差別はいけない」で断じて終えるのではなくその内実をつぶさに見つめ考えてみよう。
目次
はじめに
第一章 差別とはどんな行為か
ヘイトスピーチ
戦争は最大の差別
他者理解の過程で生じる差別
第二章 差別を考える二つの基本
差別が姿を現すとき
差別を考えるのに必要なこと
誰にもある差別する可能性
差別を超えるコミュニケーションとは
自分の中にある差別性に気づく
「普通」とは何か
第三章 カテゴリー化という問題──他者理解の「歪み」を考える
カテゴリーをあてはめる
一〇〇人いても大丈夫!
バルセロナの人は「関西人」?
時代によって変わる差別の姿
座頭市の「どめくら」と「おめくらさん」
『ズートピア』はユートピア?
思い込みや決めつけからの解放
カテゴリー化という問題とは
第四章 人間に序列はつけられるのだろうか
「特別」な人間なんているのだろうか
「貴い─賤しい」という人間の見方
「天皇、かわいそうやなぁ」
「穢れ」ている人間っているのだろうか
「貴─賤」「浄─穢」という文化的因習
教えられていない部落差別問題
「不条理で」「理屈に合わない」営み
「人の世に熱あれ、人間に光りあれ」
第五章 ジェンダーと多様な性
外から規定される性差
なぜ女生徒の制服はスカートか
それなら、結婚しなければいい!
変わるジェンダーの「あたりまえ」
私もあなたも、「つくり、食べる」人
ホモフォビア(同性愛恐怖・嫌悪)という原点
「知ったかぶり」や「思い込み」から自分を解き放つ
「あるカテゴリー」を生きる人を理解するということ
第六章 障害から日常を見直す
〝ガイジ〟って使ったことありますか
他者の全否定はできない
障害者をめぐるイメージ
憐れみの対象として描く
障害は克服すべきもの?
障害者を「もう一人の他者」として描く
パラスポーツとは何か
能力主義のあやうさ
第七章 異なる人種・民族という存在
少子高齢化が日本社会を変える
外国人が珍しかった
「イムジン河」という歌があった
『パッチギ!』が描く在日の「リアル」
「純粋な」日本人って何?
ONE TEAMの衝撃
多民族・多文化共生に驚く
異なる人種・民族の人々と生きるとは
第八章 外見がもつ〝危うさ〟
外見から他者を理解するということ
日常の儀礼:一人一人の〝膜〟
外見で印象を操作し続ける私たち
異質な外見と出会う驚き
ユニークフェイス
自分らしい顔で生きる
ぽっちゃり系女子の「生き方」
外見による「決めつけ」を崩す方法
第九章 差別を考えることの〝魅力〟
不安のはけ口としての差別
差別をめぐる〝残念な〟現状とは
性的少数者の「リアル」
重複した障害を生きる人の「リアル」
たとえばアニメから差別を考える
「普通」に息づいている「思い込み」「決めつけ」を洗い出す
「柔らかい、しなやかなこころ」を育もう
あとがき
感想・レビュー
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K1
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