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内容説明
病名よりも診断よりも大切なのが治療です。症状の原因が分からず、診断名も与えられない……ということでいろいろな病院や科へ回る患者さんがいます。それは間違っています。症状が起きている仕組みやメカニズムが推定できれば治療はできるのです。では医者はそのために患者の何をみているのか? プロ診断医が行う病態把握のための四次元思考をお見せします!
目次
第1章 診断とは
診断は何のため? 誰のため?
日常における「診断」の具体例《画像診断
病理診断
臨床診断》
物的証拠と状況証拠
医学の進歩のための診断
納得のための診断
診断は実在しない
第2章 素人の診断、プロの診断──プロ診断医はどこが違うのか
素人の診断とプロの診断の、スケールの違い
素人の診断とプロの診断の、視野の違い
素人は診断してよいか
博覧強記というより芸術家肌
臨床におけるコンピュータ活用?
第3章 診断で使う思考法
疾患の想起
仮説を立てる
プロブレムリストの列挙
鑑別リスト作成
わからないときに、どうする
私なら、こう考える
推論は「賭け」である
いい検査、悪い検査
オッズとは
医師の思考に与える検査のインパクト
第4章 プロ診断医の視座──形態によらない診断
鳥瞰的視野と顕微鏡的視野
病理医のような目を持つ臨床医を目指す
診断における【十一の斬りかた】《浸潤性(Infltrative)
機能性(Functional/Dysfunctional)
肉芽腫性(Granulomatous)
蓄積性(Storage)
腫瘍性(Neoplasmic)
増殖性(Proliferative)
変性(Degenerative)
自己免疫性(Autoimmune)
酵素欠損(Enzyme defect)
虚血性(Ischemic)
解剖学的異常(Anatomically abnormal)》
肉眼で病理組織をみる:「病理内科」という発想
正常生理と病態生理
解剖学×生理学
非形態学的診断
第5章 時間を見て、動かす
診断は、早ければ早いほど良い
臨床における「時間圧」という概念
「時間圧」は常に意識し、自分のコントロール下に置く
止まっているものも、動いているようにみえる
検査結果も動かす
診断への応用
さらなる応用
第6章 みえないものをみる!──『四次元』
次元と空間の違い
あらためて空間とは
次元を増やしていく
空間をみるということ
四次元の世界のみかた
四つ目の軸は、時間軸?
四次元空間では、三次元空間全体を見下ろしている
再び四次元ポケットの話
ようやく診断の話
お腹を切らずに、内臓を取り出す
四次元の思考で「みる」
病態把握のための四次元思考と臨床応用
診断思考は、自由だ
第7章 究極の診断のために
直観をどう扱うか
超人間的な知性としての予測能力
ラプラスの悪魔と診断予測
超人間的な診断予測は可能なのか
観察する、頭を使って考える、確かめる
自分をどう操るか
診断が向上するために何をしたらいいか①「自分にとって未知・未経験の病気の診断」
診断が向上するために何をしたらいいか②「複雑で不明性の高い病態の診断」《書店で本を探そう
一人の頭脳ではだめ──信頼できる「召喚獣」を飼う》
診断が向上するために何をしたらいいか③「自分の性質を知ろう」
そして究極の診断へ
おわりに 「原因不明」の原因
感想・レビュー
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