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内容説明
コトダマは、呪術的な思考や国粋的な主張と結びつくと、言霊信仰や言霊思想などと呼ばれることもあって、非科学的な発想だとされがちである。しかし情報が少なかった江戸時代の国学者の研究・分析を読みなおすと、ことばに沈潜した博学たちだからこそ、たどり着けた鋭い言説が垣間見える。そこでは学問的な蓄積がはじまっており、現代の言語学に通底する発見もあった。ことばの渉猟者たちの足跡をたどり、ことばの深奥と、詩的言語としての日本語表現に迫る一冊。
目次
はじめに
第一章 『万葉集』の言霊
奈良時代には使われていた語
「言」と「事」
『万葉集』の「タマ」
「コトダマ」の公的性格
「八十」とは数が多いこと
「コトダマ」と占い
ことばに宿るのか、ことばそのものの力か?
区別が曖昧な言霊信仰と言霊思想
ことばの力
悪いことの実現を神に祈る
「ウケイ」の語義の変化
『風土記』のことば
アニミズムと擬人化
「コトダマ」と神やクニ(国)は不可分
『古今和歌集』の「人の心─言の葉─和歌」
平安時代の文献に「コトダマ」はみられない
江戸時代に注目された古代語
第二章 江戸時代の言霊
古文辞派の解釈方法
国学者の古文辞学
文献学者としての契沖
本居宣長の『古事記』よみとき
本居宣長の筋道
宣長の解釈の限界
『詞八衢』の画期的な成果
宣長・春庭父子と植松有信
霊妙な言語の力
春庭による実証の背景
『詞八衢』をよむ──ことばの渉猟者
読者も「ことばの渉猟者」
『詞八衢』の蔵書票
書き込みをしたのは誰か
『詞八衢』と言霊音義学派のつながり
江戸時代の分析的な観察
ことばと霊妙な力とが結びつく危険性
異国の意識
江戸時代の五十音図
契沖の五十音整理
賀茂真淵『語意考』の「心」
音に注目する
国学者の「音義説」評価
音義説の再評価
平田篤胤の思想宇宙
現代の音響心理学に通じる発想
平田篤胤の本居春庭批判
鈴木重胤『ことばのちかみち』
大村光枝の言説
山口志道の音義説
「稲荷古伝」の十二の図像
林圀雄『皇国之言霊』
まず言霊を学べ
中村孝道と『言霊真澄鏡』
中村孝道の説く言霊
大石凝真素美の「真実の鏡」
第三章 富士谷御杖の言霊倒語説
形而上学的な解釈学
ひとえ心とひたぶる心
言語と詠歌
直言に言霊なし
倒語の二様
表裏境
「倒語」に気づく
宣長と御杖……『古事記』をどうよむか
『古事記』は倒語で言語化されているのか?
あやしみを導きとして言霊に思いいたる
理欲と神
和歌の口語訳
『詞葉新雅』にみえる研究の背景
原典としての『詞葉新雅』
第四章 和歌と言霊
詞の匂い・詞の裏
ことばの「我と彼」
「来」の両義性
「風は心にまかす」をどう読むか
読めない人の読みかた
影の詞と連歌
御杖とソシュールの共通性
顕在化した語の背景
言語学の応用力
理性の言語、感性の言語
「あゆひ」の分析
ことばの省略
はなしことばとかきことば、そして思考
音義説は妄想か?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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春風
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