内容説明
裏切り将軍・呉三桂、野心と純愛。明末期の呉三桂と愛妾・円円、二人の願いと愛を描く中国歴史長編――明の末期、呉三桂(ごさんけい)は、李自成(りじせい)軍が明を倒し、都を占拠したと知った。その上、愛妾・円円(えんえん)も李自成の配下に連れ去られたと聞き、守っていた山海関を摂政・ドルゴンを擁する清軍に開放する。裏切り者と歴史に書き残された呉三桂と傾国の美女・円円、二人の純愛と明末の激動を清新な筆致で描きあげる、中国歴史長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kmori299
2
やりたいこととやるべきこととできることってのは、それぞれ違うと大変だな。それが合致している人への羨望と、異なっていたのに前に進む強さが魅力的。羨望の対象であるドルゴンの物語もあるみたいなので、読みたい。2022/05/24
雪野きずな
1
再読3回目。海東青ドルゴンを読んだので再読。理解度アップ。2016/08/06
雪野きずな
0
3年ぶりに再読。2回目。永久保存版にしよう。ドルゴンも今日、電子で購入した。併せて読もう。2016/05/17
雪野きずな
0
摂政王ドルゴンも読みたくなる一冊。素晴らしい。田中芳樹先生がチャイナイリュージョンでブックガイドにあげているだけのことはある。2013/11/07
Yasuko Netsu
0
人は終生一つの目標に向かって走るものだろうか?野心は目標と同じものなのか?野心を抱きながら、環境によって、それを遂げずに(「遂げられずに」ではなく)過ごす日々を埋める心の糧は、野心ではなく何なのか?主人公呉三桂の辿った道は一貫しているようで、なぜか迷走して見える。満ち足りているようで、虚しい。こんな歴史小説初めて読んだ。著者の思い入れが読者をつき動かす。共感とか、別世界に浸るとか、そういう読書体験とは全く違った異次元にありながらパラレルワールドを透かし見るような不思議な共有感にとらわれる。2013/08/06