内容説明
故・丸谷才一氏が愛した、花柳小説の金字塔――温泉芸者の子に生まれ、水商売の中で育った夏子。この宿命の絆を断ち切りたいと希いながらも、外に道はなく、夏子は15で芸者小夏となった。純情を捧げた初恋の教師に裏切られ、夏子は日ましに「女」になっていく……。若き日に色町に親しみ男女の機微を知る著者が、戦後の脂の乗りきった時期に書き継ぎ、「夏子もの」として人気を博した連作小説の第1作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
64
〈大学図書館〉現在読もうとするとジェンダー的にアウトな男性の発言が多数。こういう生き方しかできなかった女性が少なからず実在したことを、忘れないでいようと思う。2019/07/22
ゆき丸
2
「夏子の歩く影は夏子の前方にではなく、うしろに伸びている。それは一九五〇年代、六〇年代の、日本の姿そのものではないか。」という松家仁之氏の解説が、まさにこの小説が愛される理由を適切に言い当てているように思う。2016/12/29
ころん
1
時代も文化も変われどまったく古さを感じさせない。読みやすい。 あやういもので結ばれた男女の仲のいきさつに、ついつい好奇心をくすぐられてしまう。 それでいて機微だの情緒だの、うまくいえないけど現代が失ってきたようなものが、確実に現れてはストーリーを彩っていく。 そして何より、夏子がいじらしくしたたかで魅力的である。 花柳小説の価値の再発見につとめた丸谷才一氏の思い、確かに頂戴した気分だ。2013/10/10
Aさの
0
こんなしみったれた女の話がどうして大流行したんだ、と思いながら読了。岡田茉莉子の映画は観てみたい。納得できそうな気がする。2013/12/23
かず
0
戦後まもない時期の大衆小説。特に何てことないが、そりゃ流行っただろう。2023/05/19
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