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内容説明
私はなぜウッドロー・ウィルソンを呪うのか? 自由主義・民主主義・国際主義による政治体制の変革を自国の使命と考える「ウィルソン主義」の提唱者――。学界の多数説が載る教科書は、第28代アメリカ大統領を「偉人」として記す。だが、平和の伝道師のごとく語られる人物の正体は、「大悪魔」であった。「神の恩寵のしるしが現われはじめた」弁論部員時代からメキシコ、ハイチなど弱い者いじめを重ねた大統領一期目、無理難題を突き付けてドイツ、イギリスをキレさせた第一次世界大戦。従来の国際秩序を全否定し、思うように世界を改変しようとした十四カ条の平和原則。全世界を不幸に陥れたパリ講和会議。自らを神と一体化させ、地球上に災いを呼んだ男の狂気が次々と明らかになる。日本と日本人の悪口は書くが、外国と外国人の否定的評価は「実証的ではない」として回避するわが国の政治外交史研究の「似非実証主義」に、倉山満氏が真正面から立ち向かう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
43
アメリカの主要な政治思想に1つにウィルソン主義があります。一見正しいように見えるものの実行してみるととんでもない悪影響を与える思想です。大統領選は2020年11月現在確定していませんが、バイデン氏が当選すればこの思想に基づく政策が出てくることは間違いありません。ウィルソン主義のもとになったウッドロー・ウィルソンの生涯を知る必要もここにあります。日本の学者もウィルソンを賞賛するだけの人たちも多いため、ウィルソン主義を正しく把握することができないことがあります。アメリカを知るために必読の1冊だと思います。2020/11/27
軍縮地球市民shinshin
22
第1次大戦時の米国大統領ウィルソンの評伝。自由と民主主義の使者のように今日でも高く評価されているが、実態は突然の思い付きで何度も態度を豹変し、前言を撤回して周囲を振り回す存在だった。なんでも自分が「キリストの再来」だと思い込んでいたらしい。精神科医のフロイトがそのように精神分析した本があり、日本では50年以上前に絶版となっている。現在、東大の北岡伸一氏をはじめ、学界ではウィルソン万歳のようだが、本書はそれを非常に激しく批判(罵倒?)している。こういう通説に真っ向から反対する本があってもよい。2021/01/08
出世八五郎
21
アメリカ保守はヤルタ会談が戦後の世界の半分を共産主義国が占めた切っ掛けと考える。ウッドロー・ウィルソンは自身がキリストになろうとして、現実より理想を追求して世界を不幸にした第一人物。その人物を北岡伸一などの東大名誉教授が崇拝する所為で、日本の学問も退行している。理想追求がゆえに良いことをしているように見えて、実は世界を不幸に陥れた。レーニンを延命させ、スターリン、毛沢東の生みの親とも言える。左翼にもこういう人はいる。副題の大悪魔という言葉を選ぶところが山田風太郎みたいなセンスを感じる。2020/12/30
KAN
17
ウィルソンの時代って、第一次世界大戦、ロシアで共産革命が起こった時代。国際連盟を提唱したけどアメリカは参加しなかった、くらいの知識しかなかった。本書を読んで、第二次大戦後の米国が世界の覇権国であり、世界の警察としての立場から見つめると、当時の世界情勢はとんでもなく理解できない内容であることを実感した。100年前の国際情勢、もっと深く見つめていかないと、現代に生きる自分たちの立ち位置もよくわからないと思った。2021/01/09
ミナ
17
満を持して出されたウィルソン本!自分をキリストと思うとか頭おかしいと思っていたけど、原因がわかってすっきり!国民感情で戦争を止められない、ヤバい考えのトップを選出するなどの事例を見ていくと、民主主義は賢い国民のいるところでしか上手くいかないのでは…?と感じる。そして、北岡先生は度々出てきていたが、最後に盛大に北岡先生についても書いている。学界もまたおかしい人だらけなのかもしれないが、その人たちが教科書も作っていくのよね…2020/11/21
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