内容説明
夏期休暇に出掛けた10人の男女を見舞う悲劇と惨劇。 “金田一耕助の生みの親” 横溝正史によって一度だけ邦訳紹介された幻の作家ケネス・デュアン・ウィップルの知られざる長編第1作を初邦訳!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
15
『鍾乳洞殺人事件』の方が面白いかな。いろんな要素を詰め込みすぎて、最後に風呂敷を畳みきれていない印象。収集がつかなくなってしまって無理矢理に事件を終息させて、最終章で一連の犯行を振り返っている。証拠や論理的な説明が弱いこともあり、尻窄みになってしまっているのが残念だ。もう少し登場人物を絞ったり、冒頭の殺人を軸に犯人探しに執着した方が、サスペンスとしても引き締まったのではないだろうか。作品自体は好評価とはいかないが、ウィップルという作家に光を当ててくれたことを評価したい。2016/01/27
チェス
1
長さ的にも内容もそこそこ楽しめたけどな。2023/11/09
senyora
1
「幻ミステリ研究家」だそうな、絵夢 恵さんが最後に書かれている言葉・・・細かいことは気にせずに、古き良き昔のミステリのセンス・オブ・ワンダーを楽しみたい方にとっては、期待を裏切られないものと信じます。・・・が全てを語っているような本でした。 『論創海外ミステリ』シリーズはミステリの玉手箱のようで楽しいです2016/04/16
N.蘭子
1
初読み作家。うーん・・本格ものとしても物語としても突っ込みどころ満載。2016/02/20
じゅん
0
★☆☆☆☆出来の悪いミステリのお手本のような作品だった。事件に関する捜査がほとんど行なわれないため、そもそも解決に至る証拠が存在しておらず、謎がないのでミステリですらない。にもかかわらず、書き方がへたなのでなぜか犯人が誰かわかってしまう、という珍現象を体験できる。犯人が勝手に自白するというオチは、筆者の苦心がうかがえるようでけっこう笑えた。確かにひどすぎる作品なのだけど、解説者の「ウィップルにまともなミステリ期待しちゃだめだよ」というのはかなり頭にきた。訳者に失礼だし、趣味感覚のコメントはやめてほしい。2016/10/12