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内容説明
人類最後の秘境は食卓だった!?
カエルの子宮、猿の脳みそ、ゴリラ肉……。未知なる珍食を求めて、世界を東へ西へ。
子供の頃は、好き嫌いが多かったという著者は、大学の探検部の遠征でアフリカ・コンゴへ行ったのをきっかけに、
「食ビッグバン」を起こし、一気に珍食のトリコに!
世界中を訪れた探検家・高野秀行さんが綴った抱腹絶倒エッセイ!
解説・サラーム海上
※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
436
高野秀行の辺境奇食(ゲテモノ喰い)紀行。彼は「子どもの頃から胃腸が弱く、好き嫌いも多かった」と言うのだが、どこでどうタガが外れたのか、世界を股にかけての奇食・珍食三昧。ゴリラやチンパンジーはもちろん(文化人類学者の梅棹忠夫氏でさえ猿は食べられなかったそうだ)、サソリやムカデ、ワニ、ピラルク、ヤギの糞のスープから、果ては胎盤(人間の)餃子に至るまで、とにかく東に珍しいものがあると聞けば食べに行き、西にこんなものを食べるのかというものがあればそれも試食し、もうありとあらゆるゲテモノの類を食べ尽くすの記。2021/08/20
岡本
91
世界中を旅してきたノンフィクション作家の著者が纏める世界各地のヤバい食事レポ。日本では馴染みのない食材だったり、調理法だったり、生だったりと写真付きで様々な料理が紹介される。実家は川で釣った鯉を食べる家だったので、イラクの「鯉の円盤焼き」は気になる所。人間の胎盤で作った餃子の話が個人的には一番ヤバい飯だったな。2025/01/04
ニッポニア
76
全くどうかしている、考える前に食べている。生物としての本能か。めちゃくちゃ面白い。以下メモ。ゴリラを対等な戦いで狩る原住民。「ゴリラは保護動物だ、狩りはいけない」と言いながら、観察中近づきすぎて危険になりゴリラを銃殺するドクターよ。疲労回復効果、砂漠のスーパー甘味、デーツ。店先の芋虫を調理済みだと思いかじって、売り手のおじさんに驚かれる。ラクダの乳ぶっかけ飯、現地では案外行けるのかもね。カートという葉っぱを噛むと多幸感、カート宴会、夜明けの迎えカート。タランチュラの素揚げをみて、思わずバスを降りる著者。2024/05/25
molysk
76
世界の秘境を飛び回ってきた筆者が出会った、辺境のヤバい料理とは。コンゴのゴリラ、タイの昆虫、ペルーのカエルといった食材は見た目からして驚きだし、韓国のホンオ、スウェーデンのシュールストレミングといった発酵食品は凄まじい臭いだ。一方で、それは日本の刺身や納豆も、立場を変えれば同じことではないだろうか。入手が容易な素材は場所によって異なるし、食料の保存に優れた発酵は先人の知恵だ。また、食事はコミュニケーションを深める機会でもある。独特な料理を喜んで食べる異国からの旅人がいれば、うれしく感じてしまうに違いない。2021/05/05
yamatoshiuruhashi
66
自称「辺境探検家」が辺境で食べた現代日本人の常識から大きくはみ出す「食事」の体験談。ゴリラを食べたという話で初っ端から驚きの連続。とても食べるものの対象となるとは思われないもの、現代日本人が豊かだから食べることを忘れてしまったもの、様々な食物とその料理法、味、食感、そしてある種の「副作用」まで記されている。気持ち悪くなるような食べ物もあるが全編を通してある種の心地よさもある。それは現地の人々に溶け込み同じ物を食べているということから生まれる同質性の実感。食を共にすることは心を開くという本質的な喜びだ。2024/01/24