内容説明
NHK朝の連ドラ「おちょやん」のモデルで、映画やドラマに欠かせなかった演技派女優・浪花千栄子の自伝的エッセイ。極貧の幼少期、奉公を経て女優となり、離婚、失意の底から女優としてさらに花咲く波乱の半生を自ら描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
89
オビに書かれているように2020年11月30日月曜日から始まるNHK朝ドラ「おちょやん」のヒロイン・竹井千代(杉咲花さん)のモデルになった人が書いた自伝書。NHKが小出しに出しているあらすじと比べて読むと、実際にあった話の方がハードであったような気がする。ドラマはあくまでドラマなので、実際に怒ったことをそのまま再現するわけではないだろうが、朝ドラファンの方はこれから半年間のお供にどうぞ。2020/11/28
ごへいもち
36
小さい頃からの過酷な生活に胸が痛む。なぜ周囲にこんな酷い人ばかりいたのだろう。そんな境遇でも芯に強いものがあったのだろう。どんなチャンスから日の当たる女優になれたのか、ワクワクしながら読んだ。2021/12/25
gtn
33
著者がなくなったとき、かつての連れ合い、渋谷天外が「あの人は、自分の芸を大切にして人にあげようとしませんでした」とコメントしたという。これはわだかまりか、それとも著者の真意が最後まで分からなかったのか。二人がビジネスパートナーでとどまっていればとつくづく思う。2021/02/06
スノーマン
29
朝ドラを見るようになって10年くらいなのですが、これほどまでに父親が救いようがない主人公は初めて。(トータスさんは大好き。つい借金大王のMV観てもた)そんな主人公のモデルのなった浪花千栄子さん。学校で学ぶことも出来ず、その場でのその境遇に耐えてきた千栄子さんが、父親の呪縛から逃れ自分のために生きていくことを決意する。かと言って、それまでの苦労もきちんと自分の中におさめ、無駄にしない。旦那さんへもグチグチと言おうと思えばいくらでも言えそうな雰囲気なのに、あえて多くを語らない潔さも良い。2021/03/06
しん君
15
NHK朝ドラ『おちょやん』杉咲花さん演じる主人公、浪花千栄子。名助演女優と称賛された彼女の自伝とエッセイ。芸についての考えが昔気質な面もあり、封建的だとか時代が違うとか言われながらも、強い信念を持って仕事に向き合う姿勢に共感を覚える。大変な苦労をして京都に家を建て、そこで果てることは幸せなこと。1965年刊行。2021/04/18