内容説明
病床の父の最後の願いに涙がとまらない。失踪した父を探しに海峡を渡った女が知る、複雑な人生の軌跡――あなたのお父様、丁大吉さんはご健在でいらっしゃる……謎の手紙に導かれ、幼いころ失踪した父親を捜しに、海峡を渡った唐谷美弥子の韓国への旅。そしてそこで知る、複雑な人生の軌跡。日本・朝鮮の歴史の暗部を抉り、太平洋戦争から現代にかけて、時代の荒波に翻弄される親子二代を描く、重くて深い感動の小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やどかり
10
幼い頃別れた在日朝鮮人の父が生きているという手紙から美弥子の旅が始まる。旅を終え、父の人生を知った美弥子が自分の中の壁を乗り越えた姿が清々しかった。戦争中の話しには心が痛むものがあり、戦後の美弥子の父親の生涯を思うと戦争の与える影響の大きさを感じる。日本の歴史なのに今だに私は知らないことが多いようだ。図書館で何気なく見つけて借りた本だったが、いい本に出会えたと思う。帚木蓬生氏の「三度の海峡」を思い出した。日本と朝鮮半島は近いようでいて、間には深い海峡があるのだと改めて感じた。2013/04/23
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