内容説明
棚氷の崩壊、氷河の後退、上昇する海水温……。南極大陸と南極圏の島々では、自然環境と生態系の変化が複雑に絡み合い、予想外の事態が次々と起こっている。
荒れ狂うドレーク海峡の先にある南極の“日常”を二〇年にわたり撮り続けた写真家は、何を見て、聴いて、嗅いで、触れたのか。
五感による、未知なる大地の記録!
深夜2時、白夜のに写るペンギンの長い影。
深く厚い氷の下のカラフルな海の表情――。
温暖化で変わるゆく南極の動物たちや景色を
貴重な写真120点に及ぶ写真とともに描写する。
カラー口絵32ページつき
はじめに
第一章 温暖化の波のなかで――南極半島
第二章 南大洋に浮かぶ生きものたちの楽園――サウスジョージア島
第三章 コウテイペンギンの国――ロス海、ウエッデル海の奥懐へ
目次
はじめに
第一章 温暖化の波のなかで――南極半島へ
南極前線をこえて/「南極へ行く」ということ/海氷がはぐくむナンキョクオキアミ/氷上のカニクイアザラシ/ブラウンブラフ(褐色の絶壁)にて/アデリーペンギンの憂鬱/増える降雪/一方で増えるアデリーペンギン/ジェンツーハイウェイ/クジラをめぐる断想 /気泡を使っての餌とり/海中へ/ヒョウアザラシの歯/南極のシャチ/シャチの生態型 /デセプション島のヒゲペンギン
第二章 南大洋に浮かぶ生きものたちの楽園――サウスジョージア島
偶然の機会/南極環流のなかに浮かぶ島じま/ソールズベリー平原とセントアンドリューズ湾/クレイシの雛たち/オウサマペンギンの過去・現在・未来/ナンキョクオットセイが歩んだ道/アザラシとオットセイ/マカロニペンギンをめぐる顛末/人間が持ち込んだもの/移入動植物がもたらすもの/腐肉をあさる鳥たち/ミナミゾウアザラシの浜/あるアホウドリの物語/忍耐(エンデュアランス)の旅――南極点到達をめぐる物語/エンデュアランス号の航海
第三章 コウテイペンギンの国――ロス海、ウェッデル海の奥懐へ
ロス海へ/砕氷船クリブニコフ号/ロス海のアデリーペンギン/ポリニアという楽園/巨大氷山B-15A/氷上の皇帝/ワシントン岬/オウサマペンギンとの違い/温暖化の中のコウテイペンギン/ヒョウアザラシの影/帰途の島じま/ウェッデル海スノーヒル島へ/アンタークティック号の航海/崩落する棚氷/雛たちの楽園
あとがき
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