内容説明
日本のアートシーンが大きく変化した明治期に活動した三組の画家の親子の物語。巨匠河鍋暁斎とその画業を継いだ娘、暁翠の矜持(画鬼と娘)。早熟の天才、五姓田義松の苦悩と見守る父芳柳。洋画の技術と画材の研究に尽力した高橋由一と息子の源吉。世の中や市場の変化に翻弄されながら彼らが貫いた画業と、達した境地に迫らんとする歴史連作小説。美術鑑賞への意欲を喚起する、興奮に満ちた一冊。
目次
序
第一話 画鬼と娘
第二話 神童
第三話 キセキの一枚
第四話 絵師の真髄
跋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
10
幕末から明治前半にかけて、時代の奔流に流されながらも活躍してきた絵師(画家)の河鍋暁斎、五姓田芳柳、高橋由一と、明治期の画家として生きたその子どもたち。その3組の親子それぞれを描くに、多少はあったであろう交わりを章またぎに用いて話しを進めているのが巧い。 初めましての作家さんだが、軽快に走るのではなく、(暁斎、暁翠以外は知らなかったし)時に立ち止まらせられながらも、読み応えのある作品でした。 著作を眺めると、本著はシリーズの番外編的な位置付けのようなので、とりあえず本編初巻を読んでみることとします。2020/11/18
あいちょ。
3
図書館。 ※画鬼と娘 ・神童 ・キセキの一枚 ※絵師の真髄2024/02/23
レフ
1
読後、埼玉/蕨の河鍋暁斎記念美術館に行った2024/07/07
Hotshoes
0
芸術と呼ぶかエンターテインメントと呼ぶか、何にせよ創作を生業とするからにはそこに熱があって、その熱に引き寄せられる者たちからの報酬がある。 どちらも等しく必要で、かつ等価でないとそれはいびつなものとなる。 創作の熱量で贖うは、富か名声か。あるいは己の証か。2021/10/11
花陽(かよう)読書会
0
「河鍋暁斎・暁翠」「五姓田芳柳・義松」「高橋由一・源吉」時代をまたいで活躍した三組の画家(絵師)親子。 知られざる逸話と名画誕生秘話を描く連作小説。この作品を読むと、明治政府が如何に美術へ関心を持たなかったのかが垣間見えてきた。日本の美術作品を海外に持っていくフェノロサなどが描かれており、従来に抱いてきたフェノロサ→岡倉天心といった日本美術を守ろうとする、良いイメージとは異なる彼らの姿を感じ取れた。2021/03/09
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