内容説明
複数の書き手に自身の怪談を託してきた一人の女性がいる。
実話怪談の影の主役=体験者
伝説のネタ元と呼ばれた故R氏の形見怪談全35話収録!
実話怪談は話の提供者なくしては存在し得ない。いわば影の主役と言えよう。
その中でも伝説と言われた女性がいる。2015年に急逝したRさんその人である。
彼女の提供する話はどれも信憑性が高く、何よりハズレがない。つまり怖い。
自ら1冊書けるほどのネタを持ちながらも頑なに筆をとらず、信頼する複数の書き手に自身の体験を委ね、託してきた彼女の怪談を没後5年を機に1冊に纏めた。
生前発表の11作、没後発表の17作に加え、これまで未発表だった形見ネタの書き下ろし7話を追加した全35話。
怪と共に生きた一人の女性を極上の恐怖とともに知っていただければ幸いである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
59
実話怪談集。本書は夭折した女性が語った話だけで構成されているという一風変わった怪談集。一人が語った話としては、内容はバラエティに富んでいる。これはアンソロジーなため、各作家さんの特色が出ている事も大きいのかな。こういう企画の怪談集を読むと、実話怪談とは常に語りや聞き書きと相即不離の関係性にある事が実感できる。基本的に他の本に収録された話が多いが、得体の知れなさがあの街らしい「京の夜」や一見民話じみた「かざぐるま」や「いちまさん」封じられていたものを開くとこうなる「開かずの扉」等が改めて読むと印象深かった。2020/11/19
あたびー
39
自分の蒐集した怪談を、自分では文章にせず、実話怪談作家の方々に提供してきたという女性を追悼する本であるとか。既に本に収録されている話に未収録の話を加えて1冊にしてあるということで、読んだ記憶のある話も。いずれも鬼気迫る上質の怪談でした。特に、百貨店での飛び降り自殺を目撃してしまった話と、その後日談となる縁の話などは強い印象を持った。またサンシャインシティの中の怪異については何度か耳にしたことがあったけれども、外の道路のことまでは知らなかった。当然だが一流の蒐集者は一流のものしか集めないのだなあと思った。2023/05/02
高宮朱雀
18
タイトルとカバーの写真はおどろおどろしいものの、内容はそのイメージを良い意味で一蹴する。 急逝した女性から伝え聞いた話を親交のあった4人の作家の手により、これまで語られていなかった物も含めて35話収録されているのだが、内容が多岐に亘っていて、とても一人の口から紡がれたと思えないほど。此岸の人にも彼岸の人にも愛されていたのだと、当然、私は会った事などないけれど、きっとチャーミングな方だったのだろうと想像した。 読む通夜、温かい気持ちで手を合わせたくなった。2020/12/17
雨
15
書き手が変わるだけで随分違う印象になる。全て同じ方の体験からとは思えなかった。「開かずの扉」は最近読んだような?と思ったり。そうか読む通夜と言うのはそういう事なのね。2020/12/09
qoop
9
怪異の体験者として複数の著者にネタを提供した女性。本書は急逝した彼女を偲ぶ追悼の書で再録中心だが、多くの話を覚えている。あの話もこの話も同じ人なのか…と驚きながら(だって〈慰霊の山〉と〈スカルファック〉が同じ人だと思う?)、著者達の筆の奥から話者の顔が見えるような気がした。改めて、合掌。2020/11/28




