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内容説明
◆The chain is only as strong as its weakest link
――鎖の強さはその最も弱い輪によって決まる
(イギリスの格言。今回のコロナ禍の本質を突く言葉として本書では用いる)
◆パンデミックが起き、世界全体に拡大し、未曽有の経済災害となったのは、グローバル経済のエコシステムにウィーク・リンクがあったのではないか。世界的な供給体制、都市への集中、人やモノの移動速度と複雑な混じり合い、政治や宗教による対立や断絶が、パンデミックを起点とした世界的な経済危機にどのようにつながったかをダイナミックに描く。
◆取り上げるテーマは日本よりも、世界に焦点を当てる。コロナウイルス危機のクロノロジーを描き、グローバル・エコシステムの最弱点に問題が起こり、それが弱いリンクを通していかに破壊的な力をもっていったかを解説する。
◆著者は日本経済の長期停滞やリーマン・ショック、ユーロ危機などについて、内外の情勢をすばやく集め、ノンフィクション的な筆致やアカデミックな知見を織り交ぜながら数々の名著を執筆してきた経済学者。2019年からは経済財政諮問会議の民間議員も務めている。
目次
序章 世界システムの創造と崩壊
第1章 スペイン風邪と新型コロナ
第2章 ソーシャル・ディスタンシング
第3章 自信過剰(Hubris)
第4章 デジタル・デバイド
第5章 中国
終章 「新冷戦時代」という神話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けん
8
★2.5 経済をなめらかに解説する語り口はさすが2021/09/25
Yuppeii
1
海外諸国の問題については言及されている中で日本はどうなのかという点の切り込みが弱いように思いました。国が異なれば公表された内容の信頼レベルは違うわけで水準が異なるデータを横並びでみてなんの価値があるのか疑問です。少なくとも中国の情報を欧米発の情報と同列に扱うわけには行かないと思います。 日本の問題点は危機の際に火事場泥棒根性でひと稼ぎしようと企む旗振り役が多いということかなと思いました。2020/11/24
トシタ
0
何かのイベントを元に、脆弱な部分に影響がでる。 受動的な対応をするか、能動的な対応をするかで大きく変わるという事が、過去の事象を元に説明されていて興味深かった。2022/12/31
よねも
0
コロナを切り口にに、世界の地政学や経済の歴史を紐解いた本。色々な側面からのデータを拾っていて、とても興味深かった。特に印象的だったのは、第一次世界大戦が同盟関係の「誤動作」から起こったという分析。次のウィークリンクはアジアというのが終章で述べられていたが、果たしてどの様になっていくか…2021/03/29