日本経済新聞出版<br> 資本主義の再構築 公正で持続可能な世界をどう実現するか

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日本経済新聞出版
資本主義の再構築 公正で持続可能な世界をどう実現するか

  • ISBN:9784532358693

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内容説明

〇資本主義は歴史上、最も成功した経済システムです。だが、いまやそれが、資本主義そのもの、そして世界を破壊する危機に直面しています。大規模な環境破壊、経済格差、信頼できる社会的な仕組みの崩壊という現代社会の大問題の解決のために、企業や個人はどのような役割を果たせるのか。
〇著者は、株主価値最大化のみを追求することそのものが問題を生み出していると指摘、共有価値の創造、共通の価値観に根差した目的・存在意義(パーパス)主導によるマネジメント、会計・金融・投資の仕組みの変革、個々の企業の枠を越えた業界横断的な自主規制、政府や国との協力が必要不可欠であることを説き、こうした行動には企業に利益をもたらす経済合理性があることを明らかにします。また、政府と市場は互いを必要とし、企業は民主的で自由な社会を支える包摂的な仕組みを強化するために積極的な役割を果たすべきだと提唱します。
〇15年にわたり強い危機感をもって問題解決に取り組んできた著者が、資本主義を創り直すための体系的な枠組みを提示します。

目次

プロローグ

第一章 「事実が変われば、考えを変えます。あなたはどうされますか」:株主価値は過去の考え

第二章 「資本主義を再構築する」実践:世界で最も重要な対話へようこそ

第三章 資本主義の再構築には経済合理性がある:リスク低減、需要拡大、コスト削減

第四章 深く根ざした共通の価値観:企業の目的・存在意義に革命を起こす

第五章 金融の回路を見直す:長期重視の考え方を定着させる

第六章 板挟みのなかで:協力し合うことを学ぶ

第七章 豊かさと自由の源泉を守る:市場、政治、資本主義の未来

第八章 変化という雪崩のなかの小石:世界を変えるための自分なりの道を見つける

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TATA

36
好著。最近流行りの資本主義批判だが、他の著作とは一線を画す内容。象牙の塔の方々による理想論前面という感じかと思ったが、事業会社の立場から何を進めるべきかということをじっくり説いており、そこから労使関係、政治への働きかけといった社会主義的アプローチへと進める。筆者が産業界の動きをしっかり認識している分、他の書籍よりは説得力が明らかに高く、最近読んだこの手の本の中では出色でした。2021/08/23

Kamal

29
【資本主義の再構築 /R•ヘンダーソン】 “私はこれを神頼みの未来と呼ぶことがある” ハーバード大MBAの教授が、この神頼みが企業で起こる背景やそれを打破する方法を明快に語る。中長期のリスクに対する思考停止や認知バイアスの発動に課題感を持っていたのでとても参考になった。ポイントは長期視点とフリーライダーに対応させる(する)仕組み。やる気があれば構築は可能だ。この手の本で、今までで一番スッキリ。成程、直近5年間で最も成功した授業なのも納得💡2022/09/05

おせきはん

27
利益至上主義、株主価値最大化から、目的・存在意義(パーパス)を重視した公正で持続可能な姿へと企業のあり方を変革する意義について、ケーススタディを織り交ぜて解説しています。数字よりも人間らしさを大切にすることで短期的な利益は減るかもしれませんが、長期的には働く人々が仕事に誇りを持ち、幸せになれるだけでなく、利益も確保できます。古くて新しい資本主義のあり方に希望を持ちました。2021/03/09

田氏

26
これといって、目新しいことは書かれていないように思う。と言っても、目新しくなければいけないということはないし、それは既存の考え方で解決可能なのだと示している…という見方もできる。問題があるとすれば、身も蓋もないことを言うと、面白くない。ひたすら事例、事例、事例の羅列であり、それはつまり真摯に事実を書いているからなのだけど、経営学の教科書でも読んでいるような気にはなる。また、ここで"正しい"と書かれている仕事が他のどんな"正しさ"と対抗し、犠牲にしてきたかという視点で読むと、満足のいく論述とは言い難かった。2021/09/06

koji

20
これは良書。「資源収奪的な株主価値の最大化を志向した資本主義」が、「大規模な環境破壊、経済格差、信頼できる社会的仕組みの崩壊」を招いたとの認識のもと、「共有価値の創造、共通の価値観に根差した」マネジメント、会計・金融・投資、業界横断的自主規制、政府・国との協力により、資本主義を創り直す体系的な枠組みを提案します。本書が優れている点は、①段階を追って体系的に記述されていること、②具体例が多いこと(例えば日本のGPIF水野さんの例は秀逸)。特に私は中小企業向け投資業務を生業としているので、多々示唆を貰いました2021/03/31

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