信用貨幣の生成と展開 - 近世~現代の歴史実証

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信用貨幣の生成と展開 - 近世~現代の歴史実証

  • ISBN:9784766426939

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内容説明

「信用」を手がかりに
近代通貨の起源を探る

前近代の社会では、経済取引を円滑に進めるために、人々はどんな仕組みを編み出したのか。近代への移行によって、それはどう変化したか。
ヨーロッパで発展した「専業銀行」中心史観のレンズを外し、アジアの視点から独自の発展を遂げた「信用貨幣」の本質に迫る。
▼「歴史実証」の手法に基づき、貨幣と信用の関係を、藩札の流通や当事者の関与の仕方から捉えた画期的な作品。
▼「ヨーロッパのレンズ」を外し、インド・中国を含む、アジアの視点を加えることで見えてくる新しい信用貨幣のかたちを考察。
▼充実した執筆陣が、近世~近代、そして現代の暗号通貨に至るまでのダイナミックな変遷を、多面的に論じ浮き彫りにする。

現代の貨幣システムが形成される経緯を歴史的視点から考える。
近世から近代にかけての日本の貨幣システムの分析を縦糸とし、近代移行期のアジアの他地域における貨幣システムの変化との比較を緯糸として、信用貨幣の生成と進化について論じる。近代の金融システムの中では覆い隠されていた信用貨幣の本質を焙り出し、中央銀行と預金銀行の二層から成る現代の貨幣システムを再検討するうえで示唆を与える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

31
10人の研究者による寄稿で構成された一冊。江戸時代から戦前までの貨幣制度や銀行制度、さらに日本を飛び出して植民地時代のインドの金融システムにも触れて、日本と比較した考察もしている幅広さがある。額面より低い価格で取引されることから頼りなさを感じる藩札を再評価し、有力商人と組むことで中小の藩では域内経済で欠かせない存在として機能したことを指摘しているところが興味深かった。江戸時代は日本を何百もの経済領域に分割しつつ、政府部門が主に扱う貨幣も幕府と藩で異なるという現代からすると面白い構造がある。2023/01/27

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