自閉症の脳を読み解く どのように考え、感じているのか

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自閉症の脳を読み解く どのように考え、感じているのか

  • ISBN:9784140816318

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内容説明

「閉じている」という印象が強い自閉症。その内側の世界を、最新の脳画像解析と、当事者の生の声から解き明かす。情報のインプットが多すぎて、アウトプットがうまくいかない独自の感覚とは? 世界的に著名な自閉症者としての視点と、科学者ならではの分析力が見事に融合したサイエンス・ノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

50
図書館本。元自閉症児でもあり発達障害でもある著者が、自閉症に関する近年の研究のまとめと自閉症の教育などについて語る(2014年行刊)。脳の構造と自閉症の関係を自分のMRI検査の結果から分析。特に健常者と違いはないとのこと。遺伝子や感覚細胞の問題などがあるがまだ研究段階だと。アスペルガー症候群や発達障害も自閉症の括りになるのだそうだ。健常者と異なる認識能力などの優位性をいかした職業を目指すよう案内。正直自分が思っていた本と少し違っていた。2016/08/17

ころこ

46
最近ASDと呼ばれることで自閉症と呼ばなくなったのは、当事者とその家族にとっては社会に開かれるために大きなことではないかと思います。昔は親の躾が悪いからだとかいわれていた差別的な意味を含意した言葉だったのではないでしょうか。前半はASDであり科学者である著者が、自分の脳を検査した結果から仮説を立てて検討しています。①心因的なものではない②脳にその兆候がある③因果関係が分からないので、器質ではなく機能の問題ではないかと考えられる④遺伝的要因や発生過程の要因が考えられるが、はっきりしない、といったところでしょ2021/03/10

壱萬弐仟縁

32
2013年初出。著者自身が自閉症で、動物学の博士号をもっている。そして、地震のCTスキャンでは、視覚記憶が優れている点を説明されている(写真47頁)。視線を合わせないのは、ふつうの人と反対の反応をすることが わかった(55頁)。刺激敏感遺伝子とは、DRD4遺伝子。DRD4-7Rという変異をもち、7Rとは7回反復するアレル(対立遺伝子、遺伝子変異と同義)で塩基のある種のつながりが7回反復する。悪ガキ遺伝子とか、飲べえ遺伝子という別称もあるという(96頁)。  2014/07/20

スパイク

15
新しい本だから、アッと驚く為五郎さんに会えることを期待してたが、目からウロコはなかったな。結論からいうと、自閉症の括りは曖昧でとても広く(大きく分けて、言語・事実で考える人、画像で考える人、パターンで考える人の三つ)、障がい者のナニナニさんじゃなくて障がいを持った個としてのナニナニさんという見方をしなさい。ということと、今までは脆弱性の克服に目が向けられていたが、やっぱりストレングス視点での対応が大事ですよってことになるかな。読んで面白い本ではない勉強の為の本でした。脳を読み解くのはまだこれからって感じ。2014/08/02

Tui

14
Eテレのプレゼン番組で出会った。自らも自閉症者であるグランディンにより語られる、自閉症についての最新の研究成果や学説。さらには自らの体験や出会いから実感した、現実的かつ実用的なアプローチ法の数々。主客双方の視点がバランスよく配されていて、読みながら最相葉月「セラピスト」を思い出す。大切なのは行動を観察し修正するだけではなく、なぜそうしているか本人の言葉や気持ちに耳を傾け、その脳や遺伝子の中に原因を探ること、と。今後研究が進むことで「脳にとって気持ちの良い支援や教育」を提供できる環境が広がることを切に願う。2015/09/04

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