内容説明
哲学はいま何を問うているのか? 現代の哲学における最もホットな5つのテーマーー正義論、承認論、自然主義、心脳問題、新実在論の大きな議論の流れを、それぞれのテーマが浮上してきた歴史的・社会的背景とともに解説。ロールズ、サンデルの正義論はいかなるインパクトがあったのか? ウィトゲンシュタインやディヴィッドソンの功績とは? マルクス・ガブリエルの新しい実在論はなぜ注目されるのか? 5つのテーマの核心を切り出し、哲学者がいま何に関心を持っているかを提示することで、読者の古くなった「哲学マップ」を塗り替える、21世紀の新しい哲学の見取り図。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
38
現在話題になっているのはAIブームによる第4章心の哲学の議論ですが、大まかにみると第3章もその前提と捉えることができます。その期待の元、読んでみても正直得るものは多くなく、期待外れという印象を持ちました。それは本書が期待外れということではなく、著者をしてもそこまでしか行かないということは、科学と哲学の知見で判明していることは多くなく、強いAIの実現可能性も今のところは無いということです。ここで理系に対して文系が支援できることは少なく、確かに理系からみた景色は文系不要論に傾くこともやむを得ないと映ります。2020/08/02
きいち
27
さすがの剛腕。直球のタイトルどおり、まさに今展開されているアクティブなテーマ、対話中の哲学者たちが踏まえている前提の哲学もがっちりと押さえ、かつ、正義論→承認論→自然主義→心の哲学→新しい実在論ってしっかりどれもつながりあっている形で展開されていく。◇思わずわかったような気になって、そして、シンギュラリティにポストトゥルース、哲学こそが有効な武器、と飛びつこうとしたときに浴びせられる「あとがき」の冷や水。。。頭に疑問符うかべながら取り組む読書の価値。2020/09/21
venturingbeyond
21
自分のフィールドである正義論~承認論はすらすらと読了。現代政治哲学・社会哲学のメイントピックとその論点をこの分量で簡潔にまとめ、各論者の異同を的確に指摘してあり、非常に読みやすかった。一方、自然主義~心の哲学~新しい実在論の後半は、英米系の分析哲学や科学哲学、現代の存在論などに疎い自分にとっては、少々読み進めるのに骨が折れた。この分野についても、もう少し深掘りしなければ...。2020/08/28
かんがく
13
一章の「正義」と、二章の「承認」はわかりやすくスラスラ読めたが、三章以降の「自然主義」、「心の哲学」、「新実在論」は難解なところも多く苦労した。文系どっぷりで生きてきたので、分析哲学や自然主義のような理系感の強い哲学がかなり苦手。2023/04/16
ほし
13
現代哲学における5つのテーマ「正義論、承認論、自然主義、心の哲学、新しい実在論」において、様々な哲学者がどのような主張をしているかを、それぞれの関わり合いを踏まえながら見取り図的に纏めた一冊。新書サイズで5つものテーマを纏めるという力技のため、流石に読んでいると駆け足感がありますが、全体の流れがとても良く編まれているため、なんとなく全体像を掴みながら読み進められました。自らが興味を持ったポイントは更に別の本を読んで深めてみようかと思える、よい入門書だと思います。(親切にブックガイドまでついている)2020/07/23
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