NHKブックス<br> 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ

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NHKブックス
魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ

  • 著者名:島泰三
  • 価格 ¥1,309(本体¥1,190)
  • NHK出版(2020/10発売)
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  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140912645

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内容説明

なぜ霊長類の中でホモ・サピエンスだけが、積極的に魚を食べるのか? それは、もともとホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人といった「強者」に対抗するための仕方なしの生存戦略だった。だが、人類がアフリカから世界中に拡散していく過程で、その魚食こそが飢えを満たし、交通手段を発展させ、様々な文化を生み出す原動力になった。果たして、魚食は「弱者」ホモ・サピエンスに何をもたらしたのか? 他の霊長類との比較を踏まえ、出アフリカから日本列島へと至る「大逆転の歴史」をベテランの人類学者が鮮やかに描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

41
強い大型種の陸の王者ネアンデルタール人は寒冷化で食料の中大型哺乳類が減って滅んだが、虚弱な「裸のサル」だったホモ・サピエンスは根菜や魚も食べたので生きのびたとは。これが脳の発達にまで影響したとなると、歴史を見る目が変わってしまう。特に海の恵みが豊富な日本では縄文期から海産物を食べ続け、日本人にしかない腸内細菌を保有するに至るなど魚とヒトの関係が凝縮された地だったとは。その日本では近年、急激に列島沿岸から海藻の森が消えて漁獲高が減少しているという。これから魚を食べるたびに、人類史を思い返すことになりそうだ。2020/11/24

tamami

22
本書はNHKブックスというハンディーな本ながら、初期人類の歴史について、食性という観点からいくつもの大胆な仮説を提示し、知的好奇心を喚起させずにはおかない内容になっている。出アフリカ以前の現生人類が獲得した「魚食」文化が、スンダランドを中心にした当時の東南アジアにおいて、タロイモ・ヤムイモなどのイモ類を中心とした最初期の「農耕」と結びついたとき、人類のその後の世界拡散の道筋が付けられた。人類はその地で氷河時代を乗り切り、東アジアから南北アメリカ大陸へと渡っていく。一部は、樺太から北海道を経て、列島を南下→2020/07/27

bapaksejahtera

16
著者は人類学や食物史の専門家ではないが、博識と豊富な野外経験に基づき各種の知見を参照し本書をものした。人類文明発展の基は、貯蔵し易く交易可能な穀物生産である。しかし穀物栽培成立が人類史として比較的新しいのに対し、魚食や低湿地の根菜栽培がそれに遥かに先行した。但しその具体的資料は残りにくい。本書の話題は屡々魚食を離れる。ネアンデルタール人が直立猿人の亜種だとする解釈や、現生人類の文化的跳梁が早くもアフリカで始まった等、話題の一貫性から如何かとも思うが、素人読者の理解には面白く、有益な知識が得られる本である。2023/01/30

takao

5
人類は魚食によって競争を避け生存してきた。 2020/08/17

tsukamg

4
ホモ・サピエンスが生き延びてネアンデルタール人が滅んだのは、ホモ・サピエンスの体つきがネアンデルタールより華奢なことが幸いし、そうした体の方が水辺の生き物を採取する生活に適応し易く、海産物の資源が豊富な地域においてニッチな存在になれたからだという。たぶんその部分が本書のハイライトで、あとは、わが国の魚食史。2024/11/05

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