内容説明
リベラル民主主義の守り手と称されたメルケル首相を追い詰めたのは、難民危機を追い風に台頭してきた右翼政党AfD。ナショナリズムの機運が高まり、政党関係なく「愛国」を語り始めるようになったドイツで、いま何が起こっているのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
36
ドイツもまた、戦争の影に翻弄されており、愛国即ちナチとなってしまうところがある。とはいえ、真の政治家は、選択と実行とは別にして、全ての声を拾い上げるのが本来の使命であり、綻びから極論政党が芽を出すのではないか。難民問題は、道徳的には、イエスだが、現実的には難しく、イエスともノーとも言えないのが本音だ。2021/07/26
HaruNuevo
6
メルケル政権下でのドイツ社会の変容を、各政党の変化と権力闘争の姿を通じて明らかにしていく。ポピュリズムをきちんと定義することなく、愛国=ポピュリズムとの文脈で叙述するのはいかがなものかと思うが、まあ朝日新聞出版だし、著者が朝日の記者なので、そんなもんだろう。2021/02/21
たいこ
5
ある程度同質の者でないと助けあおうという気持ちになれない、というのは納得。なんであいつだけ補償されるねん、ってなっちゃうもんなあ。ある程度の愛国心が必要っていうのはなあ…愛国心というより国への信頼が必要やと思うんやけど。2021/02/14
かずぼう
4
AfDの主張、「自虐史観はやめ、自国の歴史に誇りを持とう」我々はナチではない。 日本も同じような状況にあると感じた。2021/02/09
KIBA
1
日本とは経済大国であり敗戦国ゆえに国際政治の舞台では遠慮がちなところが似ているのは肌で感じていた。しかしギリシャ危機、シリア難民、トランプ氏登場、メルケル引退で政界の動きが変わっていく。右翼政党、ポストメルケル、難民のパートに分けて解説してある。現地レポも入って実情が分かる。2021/10/24