内容説明
両親の虐待を受けて施設で育った結生。万引き、援交、薬物と十代の荒れた生活から少年院を経て、ある新聞記者の取材をきっかけに自分の過去に向き合っていく。自分を縛っていた枷から抜け出すまでの心の軌跡を追った記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
25
タイトルが気になり、手にしたもの。壮絶な人生。実母による体罰、継父による性的虐待、不特定多数との援助交際、薬物使用、万引きなど、まだ四半世紀しか生きていない彼女に起こったこと。環境によるところも大きいが、自分で選んだものもある。「人として接してほしい」その気持ちにグッときた。可哀想とか、助けてあげなきゃじゃなく、対人として対等に。当たり前のことに気付かせてくれた一冊。親切な押し売りじゃ解決しないよね。2021/02/20
たまきら
24
ある取材で出会い、その後対話を続けた少女と、新聞記者。大人の都合と暴力に翻弄された無垢な魂が、混乱しながらも自分対世界と戦い続ける姿を、彼女の文章を尊重しつつジャーナリストがまとめた一冊です。一人の女性の成長をまぶしく見つめました。全てが敵だった…でも、それは自分が決めつけたものだった。自分が彼女のような境遇で育って、同じ場所までたどり着けるでしょうか。官女たちの努力がただただ眩しいです。読み友さんから。2021/03/12
espoir
6
2021年、1冊目。結生さんが私と同じ年ということもあり手に取った。当事者である結生さんの視点で書かれているのが少し新鮮に感じた。学生になり性の仕事に一度就いてみたいと思った理由も筋が通っていて、自分のことを客観的に見て考えられる頭の良い人だなと感じた。教職に就いている者として、ひとりひとりの子どもに対し何のレッテルも貼ることなく、枠組みで考えることなく、ひとりの人として接することができているか自分を見つめ直そうと思った。2021/01/10
てくてく
4
取材で知り合った少女と新聞記者、その後、新聞記者をやめた著者が、自分がいる場所、考えたことなどを少女自身に語ってもらったことをまとめた一冊。幼少期に実父に暴力を受け、児童養護施設で暮らし、母と継父に引き取られた先で母からの虐待や継父による性虐待の被害に遭い、その後再び施設に戻り、性非行や薬物問題で少年院に来た少女が、少年院での体験を踏まえ、自分で自分のことを考え、決めることの試行錯誤を繰り返し助けを求めたりできるようになった彼女と、主体性を重んじつつ彼女の支援を行う大人たちがすごい。2025/02/01
mayukipi
2
希望、光…そんな言葉は綺麗事だろうけれど、きっと今「こっち側の私」だと思っている人のそばにあって欲しい本。あっち側で生きていることに何の疑問もない私には考えられない壮絶な出来事を経験して、尚、こんなに純粋に、自分を見つめて進んでいっている彼女。「ごめんなさい。答えを持ち合わせていない。わたしと試そう。一緒に探そう」その場しのぎでなく正直に。そして立場ではなく「人対人という姿勢で関わってほしかった」という言葉を心にとめておきたいと思った。2021/12/09
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