恋する少年十字軍

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恋する少年十字軍

  • 著者名:早助よう子【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 河出書房新社(2020/10発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309029078

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内容説明

十数年ぶりに再会した周子に懇願され、あなたは彼女の息子・瞬点の世話をすることに……。フレッシュで、ふてぶてしくて、ぶっ飛んでいて、ユーモラス!話題の小説家、単行本デビュー!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

72
著者・早助よう子の本書出版記念対談をwebで視聴してから読んだ。2001年にデビュー後の10年間に書きためた短編4編、中編3編。富山の米騒動の市井の人が主人公でイヌとの関わりを書いた「犬猛る」が力作です。「恋する少年十字軍」は所々表現にハッとなる描写があるが、ストーリーやキャラクターに入り込めなかった。あとがきで「3.11以降これらの作品には逃げる/逃げない/移動する、ということがつきまとっている」とありました。犬猛るでの「米を旅にだしてもらわれん」とは、富山で取材して教えてもらった実際の表現らしいです。2020/11/23

コットン

62
7つの中短編集。表題作が一番読みやすくそれでいてはぐらかし方がうまい気がする。短編については何かの寓話のようでいながら結末が靄で霞んでしまっているような印象。読み終わって浅田彰の『逃走論: スキゾ・キッズの冒険』を何となく思い出したのは逃げるという行為の類似性によるものかもしれない。2021/08/27

猫丸

12
ヤワな観念は肉体に太刀打ちできない。そこで道はふたつにわかれる。肉体次元を遥かに超克する観念性を得ようとするか、言語に肉体性を巻き込んでいくか。文学業界で強いのは後者であって、とくに女性としての肉体性を押し出して弱い観念を嗤う形式は無敵に近い。本書は一見このパターンに見えるが、全体を読むとどうも違うかんじがする。抑圧するものに対して別種の論理の矢を放つ描写がいくつもみられる。ちょっと評価が定まらないので再読します。2021/03/11

タカラ~ム

7
私家版として自費出版された「ジョン」が名うての書店員、書評家、作家、翻訳家から高く評価された早助よう子の商業出版書籍第1号となるのがこの作品。私も「ジョン」ですっかり早助作品に魅了され、2月の本屋博のイベントにも足を運んだ(直接ご挨拶する機会もいただけた!)。そして待望の本書。やっぱり面白い。なんと多彩な世界を魅せてくれるのだろうとひとつひとつの短編を読みながら思った。世界観も多彩なら、時間感覚も特徴的だ。作中で唐突に時間が経過する場面があるが、それが唐突なのに自然なのである。それがすごい。とここで文字数2020/12/25

チェアー

7
こういうのが文学なのかな、と思う気持ちがある一方で、これまでの分からなかった作品とも少し違う、別の分からなさを感じてしまう。それはあんまりいい感じの分からなさではないのだけど。 部分的にはすごく面白い。そのなかでも「党」の話は好き。 2020/11/18

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