内容説明
初代天皇・神武に譲位した先代天皇・ニギハヤヒ。記紀はなぜ建国神話を完成させながら、わざわざこの存在を残したのか。再評価著しい『旧事記』に拠りながら物部氏の誕生を考察。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新父帰る
6
ニギハヤヒのことは記紀に触れている。ヤマト統治者の地位を神武天皇に譲位したことを記述。しかし、経歴等は一切載っていない。それは何故か?であれば、何故ニギハヤヒの譲位を記紀に載せたのか等、著者はその謎を一つ一つ丁寧に紐解いていく。それを解明する資料が『先代旧事本紀』だが、この書は学術的には偽書扱いをされている。この書にはニギハヤヒの建国の様が記されている。偽書扱いされていながら、神社本庁は本書の中の「石上鎮魂行法」の『十草祓詞』を採用。最後に「ニギハヤヒ供奉衆」32人の記録は日本人ルーツを知るポイントだ。2020/05/26
しかおおう
1
論理の飛躍や空想が含まれるのはいいとして 先代旧事本紀という存在は初めて知って興味深かった。偽書かどうかは科学的に分析するべきで(されてる?)、信憑性が高いなら古事記、日本書紀、風土記とともに突き合わせて古代史の不明点を明らかにしていきたいところ。神社の祭神に注目することで分かることもあるんだな。以前読んだ本で神社の由来に着目して神武東征などの伝説 が辿れるというのもあったので、神社の存在は重要。2022/04/02
Jimmy
1
これはとんでもなく刺激的。「ツクヨミ」というキーワードのに惹かれて読んだ作がとんでもなく面白かったから続けて買ってみましたが、素晴らしい!「ニギハヤヒ」という神話の神を題材に大和建国の謎を解き明かす、う〜ん、面白い!2020/05/31
KKobayashi
0
ヒルコ、ツクヨミに続いて、ニギハヤヒ。 作者の本がとまらない。 2022/01/18
わ!
0
あの「ヒルコ」の著者が、あの「月読尊」の著者が、今度は「ニギハヤヒ」を出版した。なかなか「ニギハヤヒ(饒速日命)」を知っている人は少ないのではないだろうか?大阪では有名な神様である…とは言っても、大阪人でも名前を知っている人も少ない。物部系の神様であり、あの東大阪にある「石切さん」の主祭神が「ニギハヤヒ」であると云えば少しわかりやすいかもしれない。大阪人からしてみれば、地元の神様、つまり地主神様のような存在である。つまり!「ニギハヤヒ」を解けば、大阪の謎がとける!といっても過言ではない神様なのである。2016/04/26