透明性

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透明性

  • ISBN:9784152099730

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内容説明

2060年代後期。個人情報を企業に提供することにより収入を得られる世界で人々が「個」を失いかけていたさなか、データを管理するトランスパランス(透明性)社の元社長が、殺人の罪に問われる。 温暖化で存亡の危機が迫る人類に、彼女が用意した壮大な計画とは

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

85
「生とは死に抗う機能の総計である」グザヴィエ・ビジャ。2069年アイスランドの大洋に張り出したトランスパランス社で、彼女はついに不死を手に入れた。何十億もの個人情報からなるデジタルな個体。細胞は死ぬ運命にあるため、私を葬り永続可能な鉱物に移し替えた。地球上で6500万年前の隕石衝突に匹敵するほどの火山爆発の予知が明らかになった。人類の存続のために11人の使徒と共に宇宙へ飛び立つ。近未来のSF小説。著者はセネガル生まれのフランス人。金融エンジニアとして働き、航空会社を運営していた経歴を持つ。2021/04/06

南雲吾朗

75
近未来を描いた小説。透明性とは視覚的な意味だけではなく全てに措いての透明。不死という事が、人間の考え方を変えてしまう。モラルと環境。自然破壊。人としての存在意義、世界に対しての責任感、知識。考察するものが無ければ考察は消滅し、思考するものが無ければ思考は死ぬ。SFという形をとった、宗教的、思想的、哲学的な物語である。受け入れられるか拒絶反応を示すかは、人それぞれだと思うが、全体的な構成や話の進め方など、よく書けている小説だと思う。2020/11/07

星落秋風五丈原

32
ジャケ買いの方の気持ちわかります。この何ともいいようのない建物。近未来のブレインはアイスランドに集結。世界地図が入れ替わる。2023/05/05

どんたこす

25
文体はとても読みにくいが、設定には惹かれるものがあった。2060年頃の近未、トランスパランス(透明性)社の元社長が、個人データを人工的な体に移植し、不老不死を可能とするエンドレスプログラムの準備を進めていた…。いっそSFで最後まで描き切って欲しかったなぁというのが正直な気持ち。永遠の命という新興宗教で人類は変われるのだろうか。 2021/02/24

アヴォカド

18
ありそうな40年後。グーグルが個人情報を管理し自由意志を操作、環境破壊が進んで北欧にしか住めなくなった人類。今このまま手をこまねいていれば、そこにたどり着く。そういう意味では警鐘ではあるよね。個人的には”エンドレス・プログラム”は希望しないと思う、永遠の生命がほしいわけではないので。やはり、限りがあるからいいじゃないかな、限りは時には救いになることもあるんじゃないかな、と思う。2021/05/17

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