内容説明
千葉香澄は、転職エージェントに勤める四十歳のキャリアアドバイザー。さまざまなきっかけで転職を考えている人々に相応しい求人を、ちょっぴり頭の固いＡＩ「ソフィア」を活用しながら紹介するのが仕事だ。ときには悩みを打ち明けられたり、あらためて再考を促したりもする。十人十色の仕事観や人生模様にふれるうち、自分自身の仕事や人生も見つめ直すことに――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
368
会社組織の中では、全てが自分の思い通りになるわけではありません。長いようで短い人生、『人生が停滞してる』と感じるのであれば、そのことに思い悩むのであれば必ずしも現在の職場に縛られる必要などないのだと思います。この作品では、それぞれの人生に思い悩む人々の姿と、そんな人々を支えながらも自らの人生にも思い悩む主人公の香澄の姿を見ることが出来ました。『キャリアアドバイザー』の”お仕事”に光を当てるこの作品。読後、自分自身の今までを、自分自身の今を、そして自分自身のこれからを、ふと考えてしまった、そんな作品でした。2022/03/07
ウッディ
277
転職希望者と求人企業の間を取り持つ転職エージェント会社に勤める40歳の香澄。会員から希望の職種、条件を聞き、サポートする彼女、切羽詰まっての転職、ステップアップの転職、譲れない条件など色んなケースがあり、お仕事小説として面白かった。転職者のその後に関与できない自分に悩み、夫の浮気で離婚し、一人生きていく覚悟を持つ主人公とAIソフィアとのやり取りなど、今時の女性の生き方が描かれていた。これまで転職を考えたことはなかったが、こんなアドバイザーがいるなら新たな人生にチャレンジするのもありかもと思ってしまった。2021/03/31
おしゃべりメガネ
188
うん、いい。コレもいい。転職エージェントの「香澄」は４０歳を迎えたバツイチ。今日も様々な転職希望者が彼女の元を訪れる。ブラック企業に悩まされる人、上司への不満が募る人、家庭の事情による人など理由は本当に様々で、「香澄」は根気強く、それぞれにあった条件や環境をアドバイスしていきます。自分が本当にやりたいコトは何なのか、本当に仕事が全てなのか、最後に自分を評価してくれるのは果たして'職業'なのか。自分自身の選択肢も改めて見直しつつ、彼女のキモチにも変化が見られます。誰かのお手伝いをそっとできるっていいですね。2020/11/14
とろとろ
175
転職エージェントの話か。現実世界ならとても重い題材だけれど、ここでは軽めにさくっと楽しめる。主人公以外のキャラが非常に薄くて話の途中にチラッと出てくるだけ。それなら、食事のメニューより、同僚や上司の人物描写に充ててくれた方が主人公がもっと際立つのでは？。それに、12年も経って離婚当時の経緯を未だに生々しく引きずってる事、それに輪を掛けて友達が元夫に子が出来たのを怒った事。どっちも相当根に持つタイプ？。自分の事はそっちのけで他人のことばかり。自分の落とし所が最後まで無かった。で、何が言いたかったのかしら？。2021/01/14
ﾓﾙｸ
173
転職エージェント、キャリアアドバイザーで40才のバツイチ香澄が主人公。転職を希望する会員の相談に乗りその希望に添うよう先を紹介する。本人の希望が適性とあっているかも判断し、より良い方向に持っていく。良かれと思ってすすめたことでも、職種だけではなくその人間関係も関わってくるし悩みは尽きない。それでも相談者に真摯に向き合う香澄に好感が持てる。対話型AIのソフィアにも興味津々！2021/01/26
