内容説明
『広辞苑』を作った言語学者が、神話、平安文学、南蛮交易記録、キリシタン文学、童謡や俚謡、俳諧、昔話などから読み解く、古代から現代へ至るいきいきとした「ことば」の姿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
80
広辞苑の編纂者である新村出博士の随筆集。気難しい大先生かと思いきや、「私の信条は善良なる平凡人」という博士の誠実なお人柄が滲み出た洒脱な文章である。日本の古典だけでなく、漢文、アイヌ語、聖書、ギリシャ哲学など、一つの言葉から連想が豊かに広がってゆく楽しさを満喫できる珠玉の一冊。新憲法発布時の「ニッポンか、ニホンか」などという文章も面白い。ヤッパリとヤハリ、ヨッポドとヨホドの関係と同じだと、博士の見解は明快。山形県で母胎に宿り山口県で生まれたから、山と山を重ねて出と命名されたということを初めて知る。2021/05/17
めめ
3
1876年生まれの言語学者が書いた随筆集。以前読んだ本より、漢字の振り仮名が多くて読みやすい文庫本だった。文章のあちこちに古典の作品や、和歌が散りばめられていて読んでいて楽しい。特に、星や植物の話が面白かった。古い樹木(カブトガニみたいな、遺伝的な古さ)であるイチョウの木が日本の文学にあまり出てこないのは意外だった。柿の葉で文字の練習をする話など、童話のようで風流で好き。チャルメラの話のような、身近な話題に作者の誠実で優しい人柄を思う。何度も繰り返し読みたい一冊です。2024/10/30
RAIDENGAWARA
2
全部は読めませんでした(泣)。金田一春彦さんの本が面白かったので、同じようなジャンルの学者さんの随筆と見つけて買って読んでみました。一応、各セクションの出だしのうちは、書いている意味は理解できるのですが、徐々に徐々に私の理解を超えていき、途中から何の話をしているのか、言葉はどこに行ってしまったのかわからなくなってしまいました。唯一、「ニッポンかニホンか」のセクションだけは、最後までうんうんと筆者の考えを追いかけることが出来ました。どちらかに決めることはナンセンスだし、今さら一方になど決められないですよね。2025/07/10
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