内容説明
新学習指導要領では、方法を語る言葉として「主体的・対話的で深い学び」という用語が使われている。本書は、政策としての「深い学び」の分析も行いつつ、それに振り回されることなく、学習の質や内容に焦点をあてる深い学び(ディープ・ラーニング)をどう紡ぎだしていくのか、教科/学び手としての子どもの2つの視点から検討する。
目次
まえがき
第I部 「資質・能力」を考える
第1章 資質・能力とアクティブ・ラーニングを捉え直す――なぜ、「深さ」を求めるのか[松下佳代]
1.資質・能力と学習をめぐる政策の展開
2.「アクティブ・ラーニング」から「主体的・対話的で深い学び」へ――その背景と意味
3.「主体的・対話的な学び」と「深い学び」の関係
4.「資質・能力の3つの柱」再考
第2章 国語科で育てる「資質・能力」と「言葉による見方・考え方」[松崎正治]
1.新学習指導要領国語科における「見方・考え方」の課題
2.新学習指導要領国語科の策定過程と「資質・能力」、「見方・考え方」
3.新しい「言葉による見方・考え方」
4.新しい「言葉による見方・考え方」を働かせて「資質・能力」を育成するために
おわりに
第3章 社会科における資質・能力形成の課題――中学校社会科の事例で考える[鋒山泰弘]
1.「社会的な見方・考え方」の例示にみる概念的・一般的知識の位置づけ
2.中学校地理的分野で「深い学び」にせまる
3.社会科で「知識、スキル、態度・価値観」の分析を指導に生かす
第4章 体育科で育てる「資質・能力」とは何か[木原成一郎・中西紘士]
1.学習指導要領改訂における体育(運動領域)と保健(保健領域)の目標
2.体育科の目標構造と育てる「資質・能力」
3.スポーツ活動の構造と体育科で育てる「資質・能力」
4.体育科で育てる「資質・能力」の全体像:むすびにかえて
第5章 コンピテンシーの育成と人格の形成――道徳のコンピテンシーから導かれる〈道徳性〉の再定義[荒木寿友]
1.学習指導要領における道徳教育の位置づけ
2.道徳教育において資質・能力はどう捉えられたのか
3.資質・能力の3つの柱における人間性の位置づけ
4.道徳のコンピテンシーとは何か
5.資質・能力の観点からみた道徳性の再定義
おわりに
第6章 総合的な学習で育てる「資質・能力」と文脈を超えてゆく学び――いまこそ問われる総合の学びのゆくえ[吉永紀子]
1.総合学習を取り巻く現実
2.学習指導要領にみる総合学習の探究過程で育成すべき資質・能力
3.学び続ける素地をはぐくむ総合学習――科学する共同体における科学的探究への参加を通して
4.探究のプロセスにみる子どもの変容
第II部 「主体的・対話的で深い学び」を捉え直す
第7章 深い学びを生み出すための豊かな教育内容研究――高校国語科の授業を中心に[藤原顕・荻原伸]
1.教育内容研究と「主体的・対話的で深い学び」の関係
2.教育内容研究(1)――テクストの収集とその解釈
3.教育内容研究(2)――関連するテクストの解釈から生じる認識の想定
4.教育内容研究から授業のデザインと実践へ
おわりに
第8章 授業における目標の構造・機能と授業づくり――「あらたな形式主義」からの脱却[森脇健夫]
1.教室の授業風景の変化
2.行政主導で進められためあてやねらいの提示
3.めあてやねらいの提示の意義と課題
4.授業の目標の構造・機能が発現する4つの局面と問題の所在
5.めあての戦略――めあてに依拠しつつ「めあて」をこえる授業づくり
ほか



