平等の教育社会学 - 現代教育の診断と処方箋

個数:1
紙書籍版価格
¥3,080
  • 電子書籍

平等の教育社会学 - 現代教育の診断と処方箋

  • 著者名:耳塚寛明/中西祐子
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 勁草書房(2020/11発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326251339

ファイル: /

内容説明

教育社会学は、社会事象が生起するメカニズムを明らかにする「存在学」であるのみならず、学術的知見に依拠した、ミクロ・マクロの処方箋を提示せんとする「規範学」でもある。本書は、進路選択、教育達成の格差、子どもや教育にまつわる言説など、現代の不平等の課題を検討し、平等への志向性を秘めた「平等の教育社会学」を目指す。

目次

はじめに[耳塚寛明]

第I部 キャリアはひらかれているか?

第1章 90年代以降の大都市における若者の職業意識の変化─「若者のワークスタイル調査」より[堀有喜衣]
 1.はじめに
 2.大都市の若者の職業意識の変化
 3.誰が「できれば仕事はしたくない」と考えているのか
 4.おわりに

第2章 若者のトランジションと社会変容─JELS調査でみる高卒後10年[寺崎里水]
 1.後期青年期という課題
 2.分析視点
 3.分析に用いるデータ
 4.結果
 5.分析と考察

第3章 都市と地方の若者の自立観と依存─JELSインタビュー調査から[中島ゆり]
 1.はじめに
 2.JELSインタビューの概要
 3.高3時の自立についての年齢規範
 4.20代後半の自立観
 5.おわりに

第4章 進路としての無業者─教師の認識と指導「理論」[諸田裕子]
 1.本章の目的
 2.調査の概要
 3.本章の分析枠組─教員の語りへの着目
 4.多元的な現実を生きる教員たち─「未定者」の特徴をめぐる語りから
 5.指導「理論」─指導の実態や理念を語る教員たち
 6.小括─指導「理論」の問題構成

第II部 格差に挑む

第5章 親の学歴期待と子の学歴希望・教育達成─変化するなかでの関係性および階層差[王杰(傑)]
 1.はじめに
 2.使用するパネルデータ
 3.2つのコーホートの分析結果
 4.知見のまとめと考察

第6章 我が子に対する学歴期待と自身の大学時代の学びや成長─大学既卒者に対する大規模調査に基づいて[望月由起]
 1.問題背景
 2.調査の概要
 3.我が子に対する学歴期待と大学に対する価値づけ
 4.大学時代の充実度・成長実感による我が子に対する学歴期待の相違
 5.おわりに

第III部 学歴社会を超えて

第7章 不本意入学からの脱出─「高専卒業生アンケート」の分析から[李敏]
 1.「就職率100%」の高専における不本意入学
 2.不本意入学発生の構造
 3.分析の結果
 4.不本意から脱出するためには

第8章 国境を越えた職業達成に対する学歴の効果─アメリカThe New Immigrant Survey(NIS)第一波調査の分析[中西祐子]
 1.問題の所在
 2.先行研究における議論
 3.データとサンプルの特徴
 4.学歴別にみた移住後の職業達成
 5.移住後の職業達成にみられるジェンダー構造
 6.国際移動とメリトクラシー,ジェンダー,ナショナリティの交差

第IV部 子どもと教育の最前線

第9章 選択としての発達障害と医療格差─発達障害児の親へのインタビュー調査から[木村祐子]
 1.発達障害という「選択」
 2.医療化現象としての「発達障害」
 3.当事者が抱える問題
 4.逸脱研究における格差論のジレンマ

第10章 保育者の専門性とは何か─保育者の専門性の実証的分析試論[上田智子]
 1.はじめに
 2.保育者の専門性に関する議論の動向
 3.実習日誌コメントのテキスト分析─保育者の専門性の実証的分析試論
 4.おわりに─今後の課題

第V部 平等の教育社会学

第11章 学力格差の社会学─高い成果を上げている学校に学ぶ[耳塚寛明]
 1.学力の地域間格差から家庭的背景による格差へ
 2.家庭的背景と学力格差
 3.高い成果を上げている学校

あとがき[上田智子・中西祐子]
索引

最近チェックした商品