内容説明
西欧近代を発祥とする「近代国家」概念は、日本にとって何であったのか/あるのか。明治維新・文明開化において〈国家意識〉はどのように立ち上がっていったのか。戊辰戦争によって生じた〈死〉や近代武士道の醸成などからたどる。またそれが、明治以降の文芸、教育、娯楽などの大衆文化にいかに投射されたかを検討する。
目次
序章 日本近代における〈国家意識〉形成の諸問題[遠藤 薫]
第I部 維新・開化と〈国家意識〉
第1章 〈死〉をめぐる〈国家意識〉――勝者と敗者とさらに忘れられた者たち[遠藤 薫]
1 はじめに
2 戊辰戦争の記憶――〈死〉のゆくえ
3 江戸と東京の間に――ナショナリティとローカリティの齟齬
4 江戸/東京の空間構造の変形――〈死者〉の街としての東京
5 敗者の死
6 さらに忘れられた者たち――死んだのは誰か
7 おわりに
第2章 近代武士道がうまれるとき――新渡戸稲造以前[中田喜万]
1 はじめに
2 新渡戸稲造“Bushido”の光彩の陰で
3 近代武士道論の契機
4 キリスト教と武士道
5 剣術の危機において
6 おわりに――桃中軒雲右衛門の「鼓吹」
第3章 加藤弘之の「立憲的族父統治」論と「脱亜」――明治20年代のナショナリズム論の中から[田頭慎一郎]
1 「日本独特の国家主義」?
2 「皇統」と「日本人種」
3 「立憲的族父統治」論の成立
4 おわりに
第II部 大衆文化と〈国家意識〉
第4章 猫と高等遊民――夏目漱石が構想した日・英・中〈文学公共圏〉[遠藤 薫]
1 はじめに
2 きみは「吾輩は猫である」を読んだか
3 『猫』の成分――『猫』に影響を与えた作品群
4 漱石のイギリス留学をどう評価するか
5 高等遊民たちの公共圏
6 おわりに
第5章 出版界の「異端児」と東アジア――戦前昭和における理想郷としての「上海」[大尾侑子]
1 はじめに
2 昭和初期の珍書屋
3 東アジアへの視線
4 「シナ通」にみる市井の研究者のネットワーク
5 「近代化」への応答――「グロ」な江戸と支那
6 おわりに
第6章 脱亜入欧する身体――女子教育における社交ダンスの受容[大山昌彦]
1 はじめに
2 欧化政策による社交ダンスの導入
3 学校式社交ダンスの誕生
4 学校式社交ダンスと社交ダンス
5 学校式社交ダンスを通じたローカルなアイデンティティの形成
6 おわりに
第7章 「子ども」という自画像――水の江瀧子からみる1930年代の国家意識[周東美材]
1 はじめに
2 レヴュー・スターの誕生
3 「子ども」という自画像
4 国家意識の変容と「男装の麗人」
5 おわりに
第8章 統制の映画配給――戦時下日本におけるメディア・インフラストラクチャーの再構築[近藤和都]
1 問題の所在
2 映画法を通じた映画の再定義
3 映画臨戦体制への移行――映画配給社の設立と配給の一元化
4 「国民」としての観客像――マスメディア化する映画
5 同時的な配給を可能にする技術的仕組み
6 メディア受容の時政学――内地/外地におけるメディア・インフラストラクチャーの差異
7 小括――映画配給の可視化に向けて
第9章 不良の統治技術における国家意識形成[塚越健司]
1 はじめに
2 不良と規律
3 不良精神の輝き
4 ジゴマとメディア報道――明治晩期から大正にかける不良の統治理念
5 大正期における硬派不良、軟派不良、不良少女の登場――統治性としての不良受容の変化
6 大正期における不良少女と自由主義教育
7 不良少女団体とメディア報道
ほか
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