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内容説明
有能な人材が会社を去ることを「損失」ではなく「合理的」だと考える経営とは一体どういうものか? 中国に進出した日系企業には手に負えない中国人エリートの「流出」が、なぜ中国企業や中国社会では「合理的な流動」と捉えられるのか? 長期間にわたる中国企業と流動人材へのフィールドワークに基づき分析し、その理由を探る。
目次
はしがき
序章 グローバルな視点──流動する人材と中国
序‐1 本書の分析視角
序‐2 中国人人材の職業流動を研究する意義
序‐3 中国企業組織を研究する意義
序‐4 調査の経緯と研究方法
序‐5 本書の構成
第1章 現代中国の流動人材像
1‐1 流動人材がうまれた背景
1‐2 急増する高学歴人材
1‐3 人材の転職「跳槽」
1‐4 国際的に流動する中国人人材
1‐5 跳槽の1つの到達点──中国における起業の社会的意味
1‐6 混沌化する求職市場
1‐7 現代中国の若者像と広がる人材間格差
1‐8 小括──人材強国へと変貌する中国
第2章 青島から見た「改革開放」
2‐1 青島の歴史および社会的概況
2‐2 改革開放以降の貿易自由裁量化拡大のプロセス
2‐3 小括──青島から見た「改革開放」とその適応
第3章 ミクロの視点──ある女性高度人材のライフヒストリーからの分析
3‐1 ライフヒストリー分析──ある大卒女性が「高度人材」となるまで
3‐2 小括──「流水不腐(流れる水は腐らない)」
第4章 メゾの視点1──流動人材を受容する中国企業組織の構造
4‐1 組織改革前──職能別組織
4‐2 組織改革後
4‐3 内部請負責任制下における企業のコントロール
4‐4 企業の役割──プラットフォームの提供
4‐5 業界と流動人材──暖簾貸し
4‐6 小括──請負の入れ子構造
第5章 メゾの視点2──「中国企業」vs.「流動人材」
5‐1 人材の採用と育成
5‐2 人材の流出
5‐3 「利益」と「リスク」の比
5‐4 訴訟にまで発展した跳槽の事例
5‐5 小括──なぜ人材の流出をプラスにできるのか
第6章 マクロの視点──中国社会と「包」的構造
6‐1 家族規範と「包」の概念
6‐2 「包」という中国の「伝統」的構造とチャイニーズネス
6‐3 小括──21世紀の「包」研究
終章 なぜ中国企業は有能な人材の流出をプラスに変えられるのか?
文献
あとがき
索引




