内容説明
ニュース報道やメディアに対する批判や不満は高まる一方。だが、議論の交通整理は十分ではない。「同僚が取材先でセクハラ被害に遭ったら」「被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか」「被害者が匿名報道を望むとき」「取材謝礼を要求されたら」など、現実の取材現場で関係者を悩ませた難問を具体的なケースに沿って丁寧に検討する。
目次
ねらいと使い方 ジャーナリズム倫理を絶えず問いなおす
第1章 人命と報道
CASE:001 最高の写真か、最低の撮影者か
CASE:002 人質解放のために警察に協力すべきか
CASE:003 原発事故が起きたら記者を退避させるべきか
CASE:004 家族が戦場ジャーナリストになると言い出したら
第2章 報道による被害
CASE:005 被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか
CASE:006 被害者が匿名報道を望むとき
CASE:007 加害者家族を「世間」から守れるか
CASE:008 企業倒産をどのタイミングで書く
第3章 取材相手との約束
CASE:009 オフレコ取材で重大な事実が発覚したら
CASE:010 記事の事前チェックを求められたら
CASE:011 記者会見が有料化されたら
CASE:012 取材謝礼を要求されたら
第4章 ルールブックの限界と課題
CASE:013 ジャーナリストに社会運動ができるか
CASE:014 NPOに紙面作りを任せてもいいか
CASE:015 ネットの記事を削除してほしいと言われたら
CASE:016 正社員の記者やディレクターに表現の自由はあるか
第5章 取材者の立場と属性
CASE:017 同僚記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら
CASE:018 犯人が正当な主張を繰り広げたら
CASE:019 宗主国の記者は植民地で取材できるか
CASE:020 AIの指示に従って取材する是非
あとがき ジャーナリストの理想へ向けて
索引
■思考の道具箱■
傍観報道
番犬ジャーナリズム
共通善
危険地取材
臨時災害放送局
CPJ
自己責任
メディアスクラム
合理的な愚か者
サツ回り
犯罪被害者支援
熟議
被疑者と容疑者
世間
特ダネ
倒産法
コンプライアンス
知る権利
取材源の秘匿
2種類の記者クラブ
地位付与の機能
ゲラ
報道の定義とは?
小切手ジャーナリズム
記者会見
「ギャラ」
キャンペーン報道
アドボカシー
黄金律
NPO(非営利組織)
地域紙と地方紙
アクセス権と自己情報コントロール権
良心条項
記者座談会
ゲリラとテロリズム
ポストコロニアリズム
倫理規定
ロボット倫理
発生もの
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