ジャーナリズムの道徳的ジレンマ

個数:1
紙書籍版価格
¥2,530
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

ジャーナリズムの道徳的ジレンマ

  • 著者名:畑仲哲雄
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 勁草書房(2020/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326603077

ファイル: /

内容説明

ニュース報道やメディアに対する批判や不満は高まる一方。だが、議論の交通整理は十分ではない。「同僚が取材先でセクハラ被害に遭ったら」「被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか」「被害者が匿名報道を望むとき」「取材謝礼を要求されたら」など、現実の取材現場で関係者を悩ませた難問を具体的なケースに沿って丁寧に検討する。

目次

ねらいと使い方 ジャーナリズム倫理を絶えず問いなおす

第1章 人命と報道
 CASE:001 最高の写真か、最低の撮影者か
 CASE:002 人質解放のために警察に協力すべきか
 CASE:003 原発事故が起きたら記者を退避させるべきか
 CASE:004 家族が戦場ジャーナリストになると言い出したら

第2章 報道による被害
 CASE:005 被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか
 CASE:006 被害者が匿名報道を望むとき
 CASE:007 加害者家族を「世間」から守れるか
 CASE:008 企業倒産をどのタイミングで書く

第3章 取材相手との約束
 CASE:009 オフレコ取材で重大な事実が発覚したら
 CASE:010 記事の事前チェックを求められたら
 CASE:011 記者会見が有料化されたら
 CASE:012 取材謝礼を要求されたら

第4章 ルールブックの限界と課題
 CASE:013 ジャーナリストに社会運動ができるか
 CASE:014 NPOに紙面作りを任せてもいいか
 CASE:015 ネットの記事を削除してほしいと言われたら
 CASE:016 正社員の記者やディレクターに表現の自由はあるか

第5章 取材者の立場と属性
 CASE:017 同僚記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら
 CASE:018 犯人が正当な主張を繰り広げたら
 CASE:019 宗主国の記者は植民地で取材できるか
 CASE:020 AIの指示に従って取材する是非

あとがき ジャーナリストの理想へ向けて
索引

■思考の道具箱■
傍観報道
番犬ジャーナリズム
共通善
危険地取材
臨時災害放送局
CPJ
自己責任
メディアスクラム
合理的な愚か者
サツ回り
犯罪被害者支援
熟議
被疑者と容疑者
世間
特ダネ
倒産法
コンプライアンス
知る権利
取材源の秘匿
2種類の記者クラブ
地位付与の機能
ゲラ
報道の定義とは?
小切手ジャーナリズム
記者会見
「ギャラ」
キャンペーン報道
アドボカシー
黄金律
NPO(非営利組織)
地域紙と地方紙
アクセス権と自己情報コントロール権
良心条項
記者座談会
ゲリラとテロリズム
ポストコロニアリズム
倫理規定
ロボット倫理
発生もの

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nさん

6
ジャーナリストが陥るジレンマを考える一冊。報道は客観的であるべきか?権力との距離はどうとるべきか?記事による影響をどう考えるのか?など、20のテーマを取り上げ、対談の様な形式で、賛成or反対の根拠が提示され、著者の事例解説が続く。読者に対し、ある程度考える余地残しているようで、テキスト的でもある。読み終えて一番に感じたのは「知る権利」とは何か?ということ。取材者は「知る権利」という言葉をよく用いる。公共のために!とも。だがそれは、自分たちの取材の「暴力性」を覆い隠す「免罪符」になってはいないか?(→続く)2020/09/15

oritako

0
ゼミでも討議に使った。単純な正解がない。非常に考えさせられる。2019/01/30

渓流

0
道徳的ジレンマの事例集。筆者の意見表明がないのは物足りないが、研修のテキストを意識してなら仕方ないか。事件ジャーナリズムや政治家のゴシップジャーナリズムで飯を食っている羽織ゴロがジレンマに陥っているとも思えないが、人間を試す究極の場に居合わせたとき、日頃高邁な御託を宣っている彼らがどんな行動をとるのか知りたいものだ。橋下氏に迫られた朝日記者のように何もしゃべれずダダ下を向くだけの記者を見るにつけ、強くそう思う。2018/12/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13060418
  • ご注意事項