共振する国際政治学と地域研究 - 基地、紛争、秩序

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共振する国際政治学と地域研究 - 基地、紛争、秩序

  • 著者名:川名晋史
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2020/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784326302734

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内容説明

今日の我々はグローバリゼーションの急速な進展と他方での地域主義/国家主義への揺り戻しの中に生きている。本書は、国際政治学と地域研究の協働、すなわち、グローバルな問題が地域にいかなる波及効果をもたらし、そこでの様態と反応が逆にいかにどの程度グローバルな世界に影響を及ぼしうるのかを解明する。

目次

序章 共振する国際政治学と地域研究[川名晋史]
 はじめに
 1. 細部に宿る「知」
 2. いかに組み合わせるか
 3.「共振」が生み出すもの

第1部 実証のための地域

第1章 米軍基地をめぐる国内政治メカニズム――脆弱性とホールドアップ問題[川名晋史]
 はじめに
 1. 基地政治における力
 2. 代替性,緊要性,特殊性
 3. 統合,制度化,分散
 おわりに:仮説の提示

第2章 政治的取引財としてのチューレ空軍基地――デンマーク国内交渉を中心にして[高橋美野梨]
 はじめに
 1. 2000年代のチューレ空軍基地
 2. グリーンランドの自治権拡張
 おわりに

第3章 米国はグリーンランドに何を求めたのか――基地をめぐる認識の変容過程[齊藤孝祐]
 はじめに
 1. チューレの軍事的価値
 2. 科学研究拠点としてのグリーンランド
 3. ミサイル防衛とイガリク協定
 4. 現在も続く価値の拡張
 おわりに

第4章 北極圏の軍事化をめぐるパラドックス――ロシアの核戦略を中心に[小泉悠]
 はじめに:軍事化される北極
 1. 北極の戦略的意義とその変動要因
 2. ロシアにとっての北極
 おわりに:戦略的ミスコミュニケーションの帰結

小括[齊藤孝祐・高橋美野梨]

第2部 目的としての地域理解

問題提起[堀場明子]

第5章 タイ深南部・パタニ紛争――なぜ紛争は国際問題化しないのか[堀場明子]
 はじめに
 1. パタニ紛争の概要
 2. パタニ紛争へのタイ政府の対応
 3. タイ側の関心事
 4. 最大武装勢力BRNの闘争理由と戦略
 おわりに

第6章 共通の脅威を失った同盟――冷戦後の米タイ同盟の歴史と現状[福田毅]
 はじめに
 1. 米タイ同盟の特質と米タイの現状認識
 2. 冷戦終結までの米タイ同盟の歴史
 3. 冷戦終結と米タイ同盟の変容(1980年代後半~ 1990年代)
 4. 2000年代以降の米タイ同盟
 おわりに

第7章 冷戦後の中国の周辺外交におけるタイ――米タイ関係への楔打ち[山崎周]
 はじめに
 1. 中国の周辺外交と米タイ同盟
 2. 中国にとっての対タイ関係の重要性と七つの要因
 3. 冷戦後中タイ関係の概観
 4. 中タイ関係における安全保障協力:中国による米タイ同盟分断のための手段
 おわりに

小括[福田毅]

第3部 理論の再構築と地域

問題提起[今井宏平]

第8章 「絶縁体国家」/「導体国家」としてのトルコ[今井宏平]
 はじめに
 1.「地域」レベルの分析視角としてのRSC
 2. トルコは絶縁体国家か
 3. 絶縁体国家としてのトルコ
 4. 戦間期の導体国家
 5. 冷戦後期から1990年代にかけて導体国家
 6. 2000年代の導体国家
 おわりに

第9章 EUと「絶縁体国家」トルコ――疎外と期待[東野篤子]
 はじめに
 1. EU・トルコ関係の経緯
 2. 加盟交渉凍結後のEU・トルコ関係
 3. トルコの上海条約機構(SCO)への接近とEU
 おわりに

第10章 冷戦終結以降の中東地域秩序と米国――地域安全保障複合体(RSC)の議論を手掛かりとして[溝渕正季]
はじめに
 1. 深化する米国の対中東関与と分裂するアラブ諸国(1980~1990年代)
 2.「ブッシュ・ドクトリン」と流動化する中東地域秩序
 3.「アラブの春」と「非リベラルな覇権」の行方
 おわりに:民衆蜂起がもたらした「ポスト米国」の中東

ほか