集英社新書<br> 人新世の「資本論」

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集英社新書
人新世の「資本論」

  • 著者名:斎藤幸平【著】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 集英社(2020/10発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211351

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内容説明

【『新書大賞2021』第1位!大賞受賞作!!】人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。
【各界が絶賛!】■松岡正剛氏(編集工学研究所所長)
気候、マルクス、人新世。 これらを横断する経済思想が、ついに出現したね。日本はそんな才能を待っていた!
■白井聡氏(政治学者)
「マルクスへ帰れ」と人は言う。だがマルクスからどこへ行く? 斎藤幸平は、その答えに誰よりも早くたどり着いた。 理論と実践の、この見事な結合に刮目せよ。
■坂本龍一氏(音楽家)
気候危機をとめ、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら?
■水野和夫氏(経済学者)
資本主義を終わらせれば、豊かな社会がやってくる。だが、資本主義を止めなければ、歴史が終わる。常識を破る、衝撃の名著だ。

目次

はじめに――SDGsは「大衆のアヘン」である!
第一章 気候変動と帝国的生活様式
第二章 気候ケインズ主義の限界
第三章 資本主義システムでの脱成長を撃つ
第四章 「人新世」のマルクス
第五章 加速主義という現実逃避
第六章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム
第七章 脱成長コミュニズムが世界を救う
第八章 気候正義という「梃子」
おわりに――歴史を終わらせないために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

480
長男のリクエストで図書館に予約しようとしましたが、あまりの予約件数のため回避し、PAYPAYフリマにて格安で購入しました。2021年新書大賞という割には、あまり新しい話はありませんでした。優秀な学者なら、マルクスの引用でなく、独自の理論で展開・説明して欲しかったです。 https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1035-a/2021/07/09

けんとまん1007

401
読み応えあり過ぎな1冊。随分前だが、学生時代に資本論は読んだ。あまりの難解さに、何度も止まりそうになりながらも、読みとおしたことは、今の自分に繋がっていると思う。今のこの時代に、改めてマルクスを再解釈するという試み。予想外に、読み進めることができたし、納得できることも多い。脱成長、コモンという言葉が印象に残る。SDGSに対する捉え方は、なるほどと思った。今までの自分の捉え方は、あまりに表面的だったと思う。これからの時代、一人一人の意味合いがますます重要になる。時計は止まらない。2021/02/01

パトラッシュ

398
読了後こんなSF小説のアイデアが浮かんだ。圧倒的な軍事力科学力で地球を支配したエイリアンが本書を読んで感激し、今後は生産力至上主義と決別した脱成長コミュニズムに基づいて地球を運営すると決めた。自然環境保護と自己抑制こそ至上の美徳とされ、特定個人や集団への権力や財産の集中は一切許されず、社会システムは市民が運営するものに限られると。生活水準を大幅に引き下げねばならない先進国や資産家は強く反発したが、エイリアンの力の前に反対は許されず方針は強行された。こんな状況にならなければ、著者の理想は実現されないだろう。2023/02/22

おたま

353
グローバル経済によって人類が地球の表面を覆いつくし、資本主義がもはや「外部」を失ってしまった「人新世」。この時代の先端で、資本主義システムそのものの危機として顕在化してきたのが気候変動問題。もはや、環境問題を解決しつつ、経済成長を望むことは無理だと著者はいう。それが資本主義の根本からの帰結だから。そうしたことを、著者はマルクスの資本論と、最晩年にマルクスの到達した考えから明らかにする。現在の資本主義システムのままでは人類は滅びの道(野蛮への回帰)を歩まざるを得ない。目指すべきは「脱成長コミュニズム」だ。2020/11/26

trazom

350
世評の高い一冊だが、共感しない。「気候変動への対応には、成長に依存する資本主義でなく脱成長の社会主義」という一直線の論理の中で、資本主義への批判と新自由主義への批判が巧妙にすり替えられ、「史的唯物論を超克して物質代謝論に達した」という最新のマルクス研究が強調される。「豊かさ」という言葉の曖昧な使い方にも違和感がある。ただ、最後に示された、エッセンシャル・ワークの重視を含む5つの構想には賛成。要するに、スティグリッツかぶれの私は、この構想に至る道が社会主義しかないという結論が納得できないだけかもしれない。2021/01/21

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