内容説明
ゆるゆる・和気藹々・のんびり楽しいグループ旅行のつもりで屋久島を訪れたモリエト一行。ところが、待っていたのは九州最高峰への登山だった! 急勾配に泣き、杉に癒され、脳内麻薬でハイになる。初心者チームが挑むいきあたりばったりトレッキングと、海外でキレた瞬間や忘れられない味など、世界中を巡って出会ったエピソード14本の詰め合わせ。旅気分満載のエッセイ集。
目次
I 屋久島ジュウソウ
II slight sight-seeing
1 怪しげな黒い鞄
2 無縁の縁
3 モロッコの車窓から
4 ハッサン
5 パリのメシア
6 海外でキレるとき
7 トラベル読書術
8 一人でお酒を
9 忘れられない味
10 忘れられない味II
11 善悪のバランス
12 アフリカの南のほう
13 トリエステ
14 終わらない旅心
あとがきに代えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
371
この人のエッセイは初めて。前半が屋久島ジュウソウ(縦走)記で、後半は「小説スバル」に連載していた海外の旅エッセイ。ジュウソウ記を読んでいる時には、この人はエッセイがヘタなのだと思っていた。素人の作文(ファンの皆様ごめんなさい)をいかほども出ないようなレベルだと見ていたのだ。小説がうまいのとエッセイのそれとは違うのだなあと。その上に掲載の写真もまた構図といい、光の具合といい限りなく素人に近いのだ。ところが、後半のエッセイは練達の手腕を発揮する。こちらが彼女の本領であったのか。いやあ、失礼いたしました。2018/03/02
じょんじょん
52
『屋久島ジュウソウ』なんでカタカナ?とタイトルを見て思っていましたが、なるほど「縦走」を知らなくて「重装備」のと思っていたのですね(笑)。前半の屋久島縦走と後半の欧州アフリカ14のエピソード。自分は圧倒的に屋久島話が面白かったです。編集者と作家の楽しそうなグループの屋久島チャレンジ、瓢箪から駒的に決まった旅が本格的登山になっていく様子がリアルでした。以前は自分も屋久島縄文杉見たいなあ、なんて気軽に思っていましたが、すごい難関じゃないですか。今でも知人に誘われるけど、とても無理なことがはっきりわかりました。2019/07/20
けぴ
51
以前、荒川登山口から縄文杉まで往復したことがありますが、トロッコ道が長く退屈しました。森絵都さん含む5人はガイドさんと淀川登山口から宮之浦岳を経て新高塚小屋で一泊、翌日朝に誰もいない縄文杉を堪能する。九州一番の高さの山のジュウソウはやってみたいですが相当キツそう。これをきっかけにインドア派の印象の森さんはマラソンを中心とした肉体派になったそうです。後半の14の旅エッセイも楽しく読めた。予想以上に満足度高い一冊でした。2022/04/10
あっ!chan
47
長年の夢だった屋久島に学生時代の友人と出かけた。出発直前に偶然見つけたこの本を、途中の飛行機の中で大急ぎで読破!まさか森さんが書いているとは知らず...かる~いエッセイだけど、下手なガイドブックよりリアル(もちろん経験談だから...)で面白い、そのあとをたどるように経験した私たちの屋久島のささやかな出来事に、書かれた時と様子が全然変わっていないじゃんとうれしくなってしまいました。世界遺産の屋久島、ちょっとわがままかもしれないけど、良いところはず~とそのまんまでと願っています。あっ!トイレ、今はきれいです!2018/04/22
エドワード
41
旅のエッセイ。後半に海外旅行のエッセイ集があり、そのスペシャル版が本編だ。後半がマジメなのに対し、<のんびり和気あいあいとグループ旅行>するのに、何故屋久島を選ぶか?山をなめたらいかんぜよ!ツアーの道中日記は抱腹絶倒。引率のK原さんを除く皆さんの何も考えてないぶりに「旅はこうでないと」と思う。私は子供の頃から神経質で、緊張して乗物に酔うわ眠れないわ、旅はいつも不安で一杯だ。帰宅する度に「家が一番いいや」と思いながら、また性懲りもなく旅に出かける、それが旅の魔力だな。屋久島、ガラパゴス諸島、行ってみたいね。2013/09/29