内容説明
雑誌ジャーナリズムを知り尽くす著者が描く「もう一つの昭和史」。こんなおもしろい時代があった! ――長嶋茂雄の結婚披露宴で、新郎新婦に「肉迫」したかと思えば、アラン・ドロンの夜を大追跡! 川端康成、吉永小百合から力業でコメントを引き出し、三島由紀夫の自決報道に全力投球……。週刊誌業界で活躍すること40数年、取材する側、される側の知られざる「実像」を描くノンフィクション。取材現場の裏側を活写!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
39
2004年刊。ノンフィクション作家・長尾三郎の自伝。辣腕の編集長のもと『週刊現代』などで記者として活躍。吉展ちゃん誘拐事件、三島由紀夫の自決、連合赤軍とのあさま山荘での攻防戦など、時代の象徴といえる事件を全力で取材。45歳で作家に転じ、『サハラに死す』『マッキンリーに死す』『エベレストに死す』の「死す3部作」をはじめ、修行者を描いた『生き仏になった落ちこぼれ』などを著し、2006年に68歳で逝去。社内事情や武勇伝に偏った印象はありますが、昭和を駆け抜けた記者が作家として大成した記録として読みたい一冊です。2020/07/03
うたまる
5
「売れている雑誌からは湯気がたちのぼっている」……約半世紀にも亘り雑誌ジャーナリズムに携わってきた著者のノンフィクション。というか交遊録、というか自画自賛の書。黎明期の週刊誌の日常や盛衰を、現場にいた者の視点で活写している。しかし、大袈裟に誇張気味に自己を語るのは自意識過剰なメディア人の常で驚くには当らないが、400頁の過半がそれでは流石に辛い。自慢の合間に挿入される世相を反映した事件の裏側をささやかに愉しむしかない。尚、敢えて言うまでもなく著者は左巻き。当然意味不明な反権力志向は覚悟しておくべし。2013/12/19
竜
1
週刊誌編集に携わった著者が遭遇した昭和世相史というところでしょうか。当たり前だけど、編集者関係の記述が多く、そこに関心も知識も無かったため、あまり乗り切れなかった。が、紹介される事件の数々は、知らなかったことも多く興味深く読みました。2023/08/29
のづる
1
読み終わったけどほとんど流し読み。三島由紀夫の自決やらあさま山荘事件やら興味深い項目もいくつかはあったけど、ほとんどが作者の自叙伝というか内輪ネタばかり。登場人物の編集者や記者やらの紹介1人1人の紹介がいちいち助長過ぎて、作者の周りの人々は読んでて楽しいだろうけど読者としては…………。「もう1つの昭和史」なんて大層なオビに惹かれて購入したけど、正直イマイチでした。2017/01/15