内容説明
大学生・世良高行のまわりに、奇怪な出来事が続いた。常用する薬のなかに毒薬、出生の秘密と暗い末路を予言する手紙、父の突然の死と、全財産を彼だけに譲るという父の遺言状。謎の中、再び伸びた魔手を脱した高行は、関係者をそろえ、犯人糾明のため偽装自殺を試みたのだが……。殺人者の心理、青春のおごりをきめこまかい文章でみごとに描いた、江戸川乱歩賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かずちゃん
4
江戸川乱歩賞受賞作(昭和34年)なので、ミステリーなのでしょうけども、あまりトリックには感心しなかった。それより、昭和30年代の世界を覗けたことの方がおもいろい当時は、女中や運転手をやとってる家がまだあったんですね。また煙草を吸うのが当たり前の世の中でもあったのでしょうか。時代は確実に流れているのですね。 「めぐみという美しい現代娘が生き生きと描かれている。」と解説にありますが、その現代娘も今では70代でしょうね。 そして昨年新章さん亡くなられていたのですね。2016/09/19
丰
0
Y-20, 19810720-112002/08/25