内容説明
四川地震の現場で見た五輪開会式の様子から、「一人っ子」政策の網の目をくぐり生まれてくるオリンピック・ベビーとの出会いまで。「死」から「生」の現場へと五輪を背景につむがれる家族の物語。訪中を重ね、丹念に取材をした直木賞作家による珠玉のルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なにょう
12
★北京五輪からはや、七年。少し古いけど、中国理解のために本書をオススメする。始めは、新聞社のコネを利用した大名旅行ではないのかと甘く見ていた。ところがどうしてどうして、町中の老百姓の世界にしっかりと入りこんでいる。一人一人の気持ちに寄り添い、中国の現状に、真摯に向かい合っている。だからこそ腹を立てることもある。また、著者の中年に達したからこその人びとへの温かい眼差しがいい。★六回にわたる事前準備の訪中取材無くしては、ここまでの中国理解には至らなかっただろう。労作である。2015/11/15
こぶた
6
★★★ 2008年の北京オリンピックの成功の時の市井の人々をうまく抜き取っている。中華人民共和国は不気味な時あるけど、人々はそれぞれに生きているのだ。でも、その様子よりも、重松清が前面に出ている感じでちょっと引く。この方の小説にあまり食指が動かないのも、饒舌だからかも、と気づく。でも暖かさを感じる人だよね。2022/02/24
わっぱっぱ
5
読友さまのレビューを読んで手に取りました。 北京五輪を、市井の人々の目線から見る、という切り口が良いです。しかし重松氏、よく怒るなあ。「ムカつく」「この野郎」など、やや不愉快な表現もありますが、返して見れば、それだけ「他人事でなく」受け止めているのでしょう。 私は何故お隣の国の事がこんなに気になるんだろう、と思っていたのですが、氏の言葉の中に答がありました。好きになりたいんですね、単純に。 読んで良かった。2015/12/21
クジラ
4
北京オリンピックを重松清がレポートする。そういえばシドニーオリンピックを村上春樹がレポートした本を読んだことがあるが、それの北京版のようだ。重松氏は直前に痛風を発症。自分もちょっと怖い。で、庶民というか、弱い者の味方の重松節がさく裂している。ほっとするね。2014/03/29
Humbaba
4
開催前から様々な問題が起こっていた中国オリンピック.しかし,報道で得られる情報は庶民の目線とは大きく異なっている.実際にオリンピックを行っている下町を見ることで,マスコミの伝えにくい情報を提供している.2010/06/18
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