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内容説明
日本のお酒をめぐる環境が激変している。日本酒からビール、焼酎と主役が交代しつつ消費は伸びてきたが、1990年代半ばにピークを迎えた。その後はデフレ下で「第3のビール」やサワーが躍進する一方、クラフトビールや純米大吟醸酒も人気を集める。さらに、日本酒やウイスキーは海外から高く評価され、輸出が急増している。日本のお酒が抱える課題と可能性とは。経済学と経営学の最新の研究成果から解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
111
日本における酒のトレンド変遷に酒造会社がいかに対応してきたか、メーカーの経営者視点から分析する。日本酒、ビール、焼酎、ウイスキーの商品別に税制改正や新製品開発を機に販売状況が大きく変化し、輸出や差別化に知恵をこらすのは他分野と同じだ。酒は経済の好不調を最もストレートに映すので、酒の生産と消費の停滞は日本経済の「失われた20年」そのものなのが見えてくる。業界の元気を取り戻すため徴税確保を優先するがんじがらめな規制を緩和し、攻めの産業に転換させるべきとの意見には全面的に賛成だ。自由なくして発展はないのだから。2022/09/25
サケ太
27
日本酒、ビール、ウイスキーに焼酎。それぞれの過去から現在に至るまでの発展を追いつつ、それぞれの成長、変化、躍進、停滞、課題、差異、特徴を挙げる。日本の酒が生き残るには何が必要なのか。現在の状況に関する見通しは立たない、という事についても言及されている。それでもわかる部分から必要な事。今後のグローバル化、の促進。海外で“日本の酒”を定着させるために必要な事。RTDというものをはじめて知ったが、日本酒ともビールなどとも違う酔える清涼飲料という発想がなかったので面白かった。2020/07/26
雲をみるひと
17
お酒各種の消費量などの戦後の推移から日本人の酒の嗜好を分析した本。各酒の科学的分析ではなく、経済的な指標での分析がメイン。一方消費量などら指標としては分かりやすいし、税政策も大きく変わった酒を通じて日本の高度成長期以後の社会動静も見えて来る。2020/09/30
ochatomo
15
「お酒はこれからどうなるか」で知った著者 先に出たこちらでは日本酒、ビール、ウイスキー、焼酎を統計を基にトレンド解説 日本製ウイスキーの国際評価が高いことを知れてよかった ウイスキーと焼酎の似ている点が意外だった 2020刊 読後に檸檬堂を初めて購入2022/11/23
メガネ
11
日本のお酒を取り巻く環境について経済学、経営学の視点から論じた一冊です。決して酒が楽しく飲めるようになる内容ではなく、全体的に真面目な内容です。今後、日本は確実に人口が減少します。それに伴い酒類消費数量も2018年と比較して2040年には最小で18%は減少すると言われています。そのような環境の中で日本酒、ビール、ウイスキー、焼酎を製造するメーカーが生き残る方法はどのようなものなのか。当然それは内ではなく外に求めるほかないのです。では外の需要を求める場合、戦略上何が求められるのか。考えさせられました。2020/10/02