ポッターマック氏の失策

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ポッターマック氏の失策

  • ISBN:9784846007850

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内容説明

英国の田舎に住む紳士ポッターマック氏。彼の生活は執拗なゆすりに耐える日々だった。意を決した彼は、綿密な計画のもとに犯人を殺害する。倒叙ミステリの創始者フリーマンによる、緊迫感あふれる名品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

27
ミステリに置ける探偵と犯人との頭脳戦の楽しみを抽出した倒叙ミステリの古典。ポッターマック氏の偽装工作を細かく描いて、読者に犯人視点のハラハラを体感させる。事情からすればあまりに可哀想な彼の動機に共感が生まれ、完璧な計画犯ではなく様々な状況から駄目うちをしてしまう弱い人間な事もあり、ついつい肩入れしてしまう。それゆえ、ソーンダイク博士が仮設として犯行を明らかにしていく過程に恐ろしさを感じる、いい追い詰められ方。トリックに時代は感じるが決して古びてはいない質の高さ。2016/03/17

本木英朗

16
英国のミスれり作家、オースティン・フリーマンが生み出したソーンダイク博士ものの長編の一つが、この作品である。俺は2008年に一度読んだっきりなので、今回で2回目である。しかしさすがソーンダイクである。推理の一端だけは俺でもできたんだよねえ、今回は。しかも今回は、真犯人のポッターマック氏もよかったしねえ。いやはや、さすがフリーマンであった。また他の作品ももう一度読もうと思う。2019/09/21

内島菫

15
本書の内容が、直前に読んだ『証拠は眠る』でソーンダイクが語った自分も殺人を犯すかもしれないケースそのままだったことに驚く。しかし、本書のように倒叙形式のしかも長篇の場合、犯人にソーンダイクに勝るとはいえないまでも明らかに見劣りしないほどの知性と忍耐力や人間的な魅力がなければ、物語を引っ張っていくほどの原動力にはならないだろう(もちろん本書の犯人はそうした原動力を持っている)。また本書は、私がこれまで読んだソーンダイクものでは珍しく登場人物が語り手とならないタイプであり、2021/08/24

ホームズ

8
犯人が分かっているうえに被害者に同情の余地がないので応援したくなってしまう(笑)ソーンダイク博士にあまり頑張ってほしくない感じでした(笑)後半の作戦については若干微妙な気がしますね。ちょっと無理のあるトリックな気がしてしまいます。とりあえず最後はいい感じで良かったです(笑)2011/02/22

ホームズ

4
倒叙ミステリ。犯人が先にわかってるから、応援してしまう(笑)無実の罪で投獄、脱獄そして強請られる(--;)逃げ切ってほしいなって(笑)古いミステリだから科学的にあのトリックで逃げ切れるのか謎(笑)今なら絶対無理だと思う(笑)2008/08/03

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