講談社文庫<br> 馬琴の嫁

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講談社文庫
馬琴の嫁

  • 著者名:群ようこ【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2020/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062765169

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内容説明

舅は人気戯作者、曲亭馬琴。家風の違いすぎる婚家、癇性な夫。苦労の絶えない結婚生活を明るく強く乗り切っていく女性の一代記――人気戯作者・瀧澤馬琴の一人息子に嫁入りした、てつ。結婚早々、みちと改名させられ、病弱な夫と癇性持ちの姑、そして何事にも厳格な舅・馬琴に苦労させられながらも、持ち前の明るさと芯の強さで、次第に瀧澤家になくてはならない存在になっていく。のちに「八犬伝」の代筆を務めるまでになる、馬琴の嫁の奮闘記。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

29
70年代に子供だった人で「新八犬伝」を知らんヤツはモグリだ。東京の大学で初めて会った同級生と、我こそは玉梓が怨霊!で友達になれたのも、滝沢馬琴様のお蔭なり。小学生の頃に馬琴について調べたことがある私は、馬琴が老いて失明し、息子の嫁みちが八犬伝を口述筆記したことは知っていた。しかし滝沢家がここまで病人だらけだったとはなあ。馬琴の妻百、息子の宗伯、絶えず病んでいる。大作家にもかかわらず家計は常に火の車、神経質な馬琴と、難解な字がわからぬみちの苦労、波乱万丈の生涯、そこはかとなく伝わる江戸の家族の情に心なごむ。2017/03/23

カピバラ

29
壮絶だった。嫁として必要なことは、体の丈夫さと忍耐力に尽きるなと思った。嫁ぎ先で、女性の人生は変わるな〜。2015/03/26

あすか

17
滝沢馬琴の息子と結婚したてつ。優しそうに見えた夫と姑は癇癪持ち、舅は何でも自分が仕切らないと気が済まない。それに加えててつ以外の家族は病気がち。群さん、これが初めての時代小説だったんですね!?てつの苦労が多すぎて、群さんの軽やかなタッチじゃなかったら読めなかったかもしれない(笑)てつの強さに救われた。2020/10/11

スリーピージーン

12
清方の有名な絵「曲亭馬琴」で、お嫁さんのお話は聞きかじっていたけれど、こんなすごい貞女なのかと驚いた。女には人権の「じ」の字もない昔、偏屈な舅に癇癪持ちの姑、病弱な夫はまったく頼りにならず、ありえないほど辛い婚家で暮らすみちさん。でも馬琴も夫・宗伯もみちさんには最後には真の感謝の気持ちを持っていたので報われる。八犬伝執筆の部分が案外あっさりだったけど、感動しました。『南総里見八犬伝』が大好きだから、みちさんにもありがとう!と言いたいです。2013/11/23

にゃんころ

9
終わりよければすべてよし。みちの歩んできた人生はとんでもない苦労の山であったが、振り返ればささやかなる光りに照らされてどこか誇らしげに輝いていた。と本人は満足だったのだろう。読んでいるこちらとしてはそんなとんでもない!!と思った。あたしだったら夫、姑の亡骸にそっと顔を近づけて恨みつらみをぶつぶつ唱えるだろう。それくらい壮絶でした。よく踏ん張ったなぁ。そんな中で心の拠り所となった子供たちと猫。みちが猫に話しかける場面はほっこりしました。2017/04/18

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