内容説明
家出していた兄ちゃんが「女」になって帰ってきた! 講談社児童文学新人賞受賞作『非・バランス』につづく第2弾――有名中学に合格して、響(ひびき)の人生はうまくいっているはずだった。でも、このごろ何をする気も起きない。そんなときふしぎなメロディーが、すっと心に流れ込んできた。そして、家出をしていた兄ちゃんが、「女」になって帰ってきた! 親子、兄弟、友達……みんながギクシャク。この世は不協和音でいっぱいだ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
72
セールで気になって。つらいなぁ。中学一年生の響。息苦しい家庭。家出した兄はトランスジェンダー。必死で勉強して入った中学校も、勉強についていくので精一杯。せっかく話しかけてくれるのに、どうしてもバカにしてしまう。だけど、あるがままに生きようとする兄が帰ってきて、家族に一石を投じる。そして兄の作る音楽が響の心に優しく響く。太に電話をかけて仲直りできてよかったね。YAだからか、あっさりだけど、ほっこりできました。2021/04/19
kei302
39
多様性と毒親。YAなので全体的にさらりあっさりしているが、自分たちの理想を押しつける親、受験して入学した中学校での息苦しさ、兄(姉?)への苛立ち等もやもや感がとても丁寧に描かれている。めでたしめでたしと終わると嘘っぽいけど、いい感じの終わり方だった。KindleUnlimited2024/10/31
オカメルナ
39
僕の兄ちゃんは7年前の18歳の時に突然家出した。僕は小学生だったし兄ちゃんの気持ちなんて分からなかったよ。今、有名中学校に合格した僕にとって家は窮屈でたまらない。学校だって面白くない。そんなある日、兄ちゃんが姉ちゃんになって帰って来た。両親は兄ちゃんを認めない。兄ちゃんはどうして家を出たのか。どうして戻って来たのか。勉強を頑張っても追い付いていけない僕のジレンマ。サラリと書かれていて笑えたりもするけれど、超・マジメな内容。親視点と子供視点で全く見え方が違ってくるだろうな。私は笑顔で迎えられる親になれる?2012/10/12
sk4
32
この本オモロイわ~w 七年前に家出したにいちゃんがオカマになって戻ってきた!そしたらいろんなイヤな事が解決した! という、コア設定の家族もの。 でも、おネエが市民権を得つつある昨今では、そんなにあり得ない設定でもなくなってるかも。 主人公が「オカマのどこがいけないんだっ」といじめっ子に食ってかかる場面では、日本中のオカマから感謝状が届きそうだ。 もうちょっと装丁を可愛くして、たくさんの人に読んで欲しい本です。2012/06/28
n.urabe
23
7年ほど前に12才はなれた兄ちゃんが家出をした。その兄ちゃんが、女になって帰ってきたw そんな兄ちゃんを認めない親(気持ち悪がったりする(泣))や、私立中に入学したばかりの主人公響のストレスや友達の悩み。兄ちゃんが大人で、知らず知らずのうちに響にいい影響を与えてる所に、ちょっと感動した。あったかいお話し。2012/10/24