講談社文庫<br> 地下鉄に乗って 新装版

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講談社文庫
地下鉄に乗って 新装版

  • 著者名:浅田次郎【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 特価 ¥396(本体¥360)
  • 講談社(2020/10発売)
  • ポイント 3pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065206997

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内容説明

永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えにくす

119
★★★★☆地下鉄の階段を上がると、そこは東京五輪直前の1964年。真次は自殺した兄の姿を見つけ、何とか運命を変えようとする。だが更に時間を遡り、終戦直後の新宿へ。そこで出会う運命の人物。恋人のみっちゃんもタイムスリップして、同じ人物に出会う。これは偶然か必然か?なぜ二人は時をかけるのか?過去の人たちは貧しいがエネルギッシュで、懸命に生きる姿に応援したくなる。果たして兄は救えるのか?真次とみっちゃんの、運命や如何に!ラストで明らかになる衝撃の真実と驚くべき結末に、涙が頬を伝う。ノスタルジックな感動の名作。2021/06/02

キンモクセイ

57
成り上がりの父は家族に暴力を振るうDV野郎だった。DVなんて言葉がない時代、母も真次たち兄弟も我慢するしかなかった。縁をきって生活していた真次がある日の地下道を歩いてると違和感が。地上に出るとそこは兄の昭一が死のうとする日だった。夢か幻覚か?まだ間に合うかもしれない。真次が時間旅行のように過去に行くと若き日の父親に出会う。何故あんなに暴君になったのか?真次の不倫相手のみち子まで過去に行く意味は?自殺する前の兄に会えたのに。悲しい運命がそれぞれに待ち受ける。あぁ、彼女の心を思うと悲しいくらい辛く切ないな。2021/03/17

ぽろん

45
新装版。20年も前に描かれていたとは驚きました。のっぺい先生に導かれたのか、地下鉄の意思なのか、大嫌いな父親の過去にタイムワープ。亡き兄の死んだ日を皮切りに、戦前戦中戦後を彷徨う。父親の良いところもいっぱい見るのに、やはり仲直りとはいかないのか。みちこの生い立ち、彼女の行動がなんとも切なく、やりきれなかった。2020/11/14

moonlight

39
『おもかげ』を読む前にこちらを。よく似た雰囲気の表紙が書店で並べられていたので関連があるのかな?と。地下鉄の改札を出るたびに父の歩んで来た過去を見ることになった真次。成り上がりで家族に対して横暴な父の若き日を知ることで変わったことと変わらないこと。なぜ恋人も一緒にタイムスリップしていたのか謎が解けるものの…愛することとは相手の幸せを心から願うことね🥲2021/04/12

しげき

35
昔の作品ですが、今回初めて読みました。地下鉄の出口をくぐると過去にタイムスリップ、そこで若かりし頃の自分の父親のに出会い真実へとたどり着く物語。みち子の存在がとても切なかったです。うまく言い表せないですが、読後はなんだか不思議な気分になりました。DVDも観てみたいなぁ2021/06/14

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