株式会社の世界史―「病理」と「戦争」の500年

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株式会社の世界史―「病理」と「戦争」の500年

  • 著者名:平川克美【著】
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  • 東洋経済新報社(2020/10発売)
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  • ISBN:9784492315323

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内容説明

コロナ禍による大恐慌は「株式会社」の終焉を招くのか。
グローバリズムの終焉は「戦争」をもたらすのか。
東インド会社を起源とする500年の歴史から資本主義と国家と株式会社の未来を探る。
著者による立教大学MBAや早稲田大学で大好評の講義を書籍化。
シリコンバレーでも活躍した元ベンチャー起業家が「株式会社の謎」に迫る。

内田樹氏(思想家)推薦!
「僕は平川君の下で働いていたことがある。
平川君は親切で、公平で、大胆で、仕事のできる経営者だった。
そういう人だからこそ、これほど洞察に富んだ株式会社論が書けたのだと思う」

【本文より】
「私がここに株式会社についての論考を付け加える理由は、人口減少時代あるいは成長の糊代を失ったかに見える現代という時代において、それでもなお株式会社は可能なのかと問うてみたいからである。そのために、歴史のなかで変態を繰り返してきた株式会社が何であり、何であり続けるのかについて、そのさなぎの時代、幼虫の時代、成虫の時代、そしておそらくは妖怪の時代の、外観とその内部で蠢いていた生命力についての考察を開始したいと思う」

【本書の内容】
株式会社という資本調達と生産のシステムは、その出現以後、産業革命の時代を背景にして、巨大なパワーを発揮し、文明の発展と経済の増大に寄与してきた。
しかし2008年のリーマン・ショック、そして2020年のコロナ禍は、わたしたちの世界を支えている経済システムが、それほど盤石でも安定的なものでもないし、時に人々の生活向上に資するが、大きな病に陥ることもある両義的な存在であることを示した。
本書では、単に教科書的な知識としての株式会社ではなく、それがまさに生まれ出る瞬間の時代というものを生々しく浮かび上がらせつつ、その「力」と「病理」を描き出す。
また近代を牽引してきた株式会社が、これから先も経済発展の原動力として中心的な役割を果たしていくことができるのか、株式会社に変わりうる存在はありうるのか。この問いにも考察を加える。
シリコンバレーでも活躍した元ベンチャー起業家だからこそ書ける、資本主義のエンジンであり、国家と骨がらみな関係性を持つ「株式会社」の500年史。

目次

序 章 株式会社という幻想共同体

〈第Ⅰ部 株式会社の500年―その歴史〉

第1章 ヴェニスの商人の時代

第2章 東インド会社の設立

第3章 複式簿記の発明

第4章 『国富論』とアメリカ合衆国の誕生

第5章 株式会社の蘇生力

〈第Ⅱ部 株式会社の「原理」と「病理」-コーポレート・フィロソフィー〉

第6章 経済的人間

第7章 株式会社の性格について

第8章 彼らが会社を愛した理由

第9章 欲望が作り上げた幻想

第10章 株式会社という幻想共同体と個人の欲望

第11章 技術イノベーションと「生の原基」

第12章 個人の倫理と国家の倫理

終 章 株式会社はどこへ行くのか

参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

26
読み応え十分ですが、気をつけることは、本書の株式会社は公開会社であること。よって日本の大半の株式会社(所謂中小・零細会社)は対象外です。第1部は、「有限責任制、所有と経営の分離」が、オランダ東インド会社をルーツとしてどのように発展してきたかを辿るもの。第2部は、既刊「株式会社という病」を大幅に加筆修正して、株式会社の病理と原理を論ずるもの。法的・現代経済的な考察というより、歴史・宗教・哲学・古典経済からのアプローチであり、著者の体験(町工場で育ち、幾つかの会社を経営)が重みと深みを与えています。良書です2022/07/12

ta_chanko

19
著者の集大成とも言える渾身の一冊。東インド会社からGAFAまでの株式会社の歴史を辿りながら、株式会社が抱える組織的・宿命的な病理を解き明かす。病理の根本原因は「所有と経営の分離」。広く大衆から資金を集め、大規模な産業を興して利益をあげ、労働者には賃金を、出資者には配当を配り、かつ新規事業や継続事業のために再投資する。出資者・経営者・労働者・消費者の誰もが利益に預かれるのは高度経済成長期などの限られた時期のみ。それ以外の時期は、この中の誰かが不利益を被る。とりわけ今は株主(出資者)の力が強くなりすぎている。2021/02/20

羊山羊

16
株式会社の通史でないことには要注意!そのうえで読むと、株式会社を歴史的観点から眺めつつ、吉本隆明氏「共同幻想論」を援用して分析し尽くす迫力満点の1冊。著者の町工場出身という出自と知識ゆえか、昭和時代への強烈なノスタルジィが透けて見えるのは気を付けなければいけないが、株式会社×共同体という見方から「会社が永続してゆくという信仰」を見出したのは素晴らしい。そこから、株式会社という存在が他者の欲望に乗っかりつつも良き存在としていられなくなる過程を描き切る第二部はムネアツ!面白かった!2021/12/30

はとむぎ

14
総供給が総需要を上回る時代。株式会社は、擬人化された法人として成長し続けることを目的とする。株式会社と世界の目的が合致していた時代が終わろうとしている。便利で自由で豊かになったけど、なんだかな~って。新たな時代ですね。2022/06/26

青雲空

12
先進国だけでなく、途上国でも少子高齢化が進む21世紀。一方で気候変動がいよいよ待ったなしになる21世紀。 成長が止まる時代に、「成長」に過剰適応している株式会社は、どのような変貌を遂げていくのか、行かないのか。 どうも私は、あまり明るい未来は見通せないのである。2020/12/23

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