機械翻訳 - 歴史・技術・産業

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機械翻訳 - 歴史・技術・産業

  • ISBN:9784627851818

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内容説明

機械翻訳とは何なのか?
それはどこから来て、どこへいくのか?

近年、大幅な精度向上をとげ、生活に欠かせない技術になった「機械翻訳」(machine translation)。前世紀半ばから研究が続けられてきたその技術は、どう進化してきたのか。機械翻訳の方式にはどのようなものがあり、それぞれどんな特徴があるか。産業としての歩みと、そのキープレーヤーは。翻訳者は機械翻訳とどう付き合うか。精度をどう評価するか。そもそも翻訳とは何なのか――。

長年、機械翻訳研究の第一線を見てきた研究者が、非専門家にむけてコンパクトかつ包括的に解説。機械翻訳とよりよく付き合うために、その来歴・仕組み・これからを考える一冊。

国内の気鋭研究者による「ニューラル機械翻訳」に関する解説つき。

***
目次:

第1章 はじめに
第2章 翻訳をめぐる諸問題
第3章 機械翻訳の歴史の概要
第4章 コンピューター登場以前
第5章 機械翻訳のはじまり:初期のルールベース翻訳
第6章 1966年のALPACレポートと、その影響
第7章 パラレルコーパスと文アラインメント
第8章 用例ベースの機械翻訳
第9章 統計的機械翻訳と単語アラインメント
第10章 セグメントベースの機械翻訳
第11章 統計的機械翻訳の課題と限界
第12章 ディープラーニングによる機械翻訳
第13章 機械翻訳の評価
第14章 産業としての機械翻訳:商用製品から無料サービスまで
第15章 結論として:機械翻訳の未来

解説:2020年時点でのニューラル機械翻訳(中澤敏明:東京大学特任講師)

「ニューラル機械翻訳にはまだ多くの可能性が残されていると同時に、解決すべき問題も多く残っており、今後もかなりのスピードで研究が進むと思われる。(…)翻訳の需要が供給を大きく上回っており、翻訳されずに残っている文書が大量に存在する現状で、機械翻訳を導入することは自然な流れである。ただし、機械翻訳は万能ではないということは十分に理解しておかなければならない。機械翻訳を提供する側は、当然自社の製品をよく見せようとするが、その真贋を見極める目を利用者側ももっておく必要がある。そういう意味でも、本書はその足がかりとなりうるのではないかと思う。」(「解説」より)

目次

第1章 はじめに
第2章 翻訳をめぐる諸問題
第3章 機械翻訳の歴史の概要
第4章 コンピューター登場以前
第5章 機械翻訳のはじまり:初期のルールベース翻訳
第6章 1966年のALPACレポートと、その影響
第7章 パラレルコーパスと文アラインメント
第8章 用例ベースの機械翻訳
第9章 統計的機械翻訳と単語アラインメント
第10章 セグメントベースの機械翻訳
第11章 統計的機械翻訳の課題と限界
第12章 ディープラーニングによる機械翻訳
第13章 機械翻訳の評価
第14章 産業としての機械翻訳:商用製品から無料サービスまで
第15章 結論として:機械翻訳の未来

解説:2020年時点でのニューラル機械翻訳(中澤敏明:東京大学特任講師)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

88
2019年11月にDMM英会話を始めてから機械翻訳(Google翻訳)の世話にならなかった日はなかった。だからこそ読んでみたが、言語学や初歩的なフランス語の知識がないと難しい...orz ただ今の技術では機械翻訳とプロの翻訳者がガチで対決すると、後者の方が断然優れているとのこと。チェスや囲碁のように人間がコンピューターに負かされることはないようだ。2021/01/14

Nobu A

7
先日読了の「機械翻訳と未来社会」で知識欲に火が付き、本著に辿り着く。結論から言うと8割方満たされた。身近に十分に浸透している機械翻訳の歴史的背景や具体的なシステム内容が詳らかに語られ、性能評価や今後の課題等、上手く纏まって概観出来る。一方で、「ロバスト」等、安易なカタカナ英語でなくしっくり来る和語での訳出を願う。「interlingua」にSLAでは確立されている表現「中間言語」を当てたのは誤訳。例文に英仏表現が頻出するが、言語学者が加わり英日に差し替えの翻案だったら本著の価値は更に上がったと思う。 2021/04/30

愛楊

6
計算機科学の博士による機械翻訳の系譜学。原著が2017年、本書が2020年9月の出版であり、現在では fastText やバイトエンコーディングでほとんど解決されている課題が、未だ未解決の問題として記されていたりする。日本翻訳連盟副会長の高橋と、機械翻訳を専門とする工学者である中澤による解説の対比が、特に興味深い。高橋も中澤も、翻訳界隈の無闇矢鱈な機械翻訳への敵視を戒めるのだが、中澤はニューラル翻訳の特徴の詳しい解説を与える一方、2024/04/30

ががが

3
機械翻訳の歴史と現状を適度な分量でまとめた本。原著の出版が17年、本書が20年のため、最新の情報は他をあたった方がいいが、素人には機械翻訳のしくみをざっくり知るのにちょうどよい。どんなに精巧な翻訳に見えても基になっているのがデータでしかないのがまったく信じられないが、いい文章を書くにはいい文章をたくさん読め、と昔から言われてきたように、人が言語を認知する仕組みも案外それに近いのかもしれない。言葉の意味とはなにか、文を理解できるとはどういうことなのか、ここ数年はAIの発展でそのあたりがますます不思議に映る。2024/06/24

oryzetum

2
敢えて数学的・技術的な記述は抑えてあるらしく、情報工学に関する知識が全く無い僕でも楽しく読めた。ただ、英語の他、フランス語の例も多数出てくるので、多少はフランス語を知っていた方が読みやすくなるかも。また、原著刊行後の動向や翻訳におけるディープラーニングについても日本の専門家による解説で補完しているが、こちらはやや技術的に深い記述もあるため、読むのに少々苦労した。2020/10/11

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