ヒロインたちの聖書ものがたり キリスト教は女性をどう語ってきたか

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ヒロインたちの聖書ものがたり キリスト教は女性をどう語ってきたか

  • 著者名:福嶋裕子【著】
  • 価格 ¥2,475(本体¥2,250)
  • 合同会社ヘウレーカ(2020/10発売)
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  • ISBN:9784909753090

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内容説明

旧約・新約聖書に登場する約40人の女性たちの生き様を通して、ジェンダーの視点から聖書の全体像を示す。

旧約聖書・新約聖書に登場する40人以上の女性たちの生き方を、聖書学の最新の知見をふまえながら、ジェンダーの視点から読み解く意欲作。それぞれの時代の制約のなかで、機知と機転によってたくましく生き延びた女性もいれば、権力や社会に屈して失意のうちに生を終えた女性もいる。そうしたヒロインたちの躍動する姿を生き生きと現代によみがえらせることによって、聖書全体の流れと歴史を俯瞰しようというのが本書の狙いである。何度チャレンジしても聖書を読みつづけられなかった方も本書で聖書に魅了されること間違いありません。

【著者】
福嶋裕子
青山学院大学理工学部教授、宗教主任(チャプレン)としてキリスト教概論を担当。ハーバード大学神学部博士課程修了(専門:新約聖書と初期キリスト教の諸起源)。聖書に登場する「寡婦(やもめ)」のように古代社会で周辺に生きる人びとに関心を持つ。訳書に『叫び声は神に届いた──旧約聖書の12人の祈り』(W. ブルッゲマン著、日本キリスト教団出版局、2014年)、共著『3.11以降の世界と聖書──言葉の回復をめぐって』(日本キリスト教団出版局、2016年)がある。

目次

第1章 祝福された女たち
1 エデンの園からの出発 エバ
2 子どもを産めない女主人、自由を求める女奴隷 サラとハガル
3 顔も知らない夫の元へ リベカ

第2章 生き残りを賭けて
1 滅ぼし尽くす聖戦を生き延びた遊女 ラハブ
2 非情な戦場を生き抜くには デボラとヤエル
3 父の名誉に命を賭ける エフタの娘

第3章 語り出す女たち
1 神は貧しい者を引き上げる、とかのじょは歌った ハンナ
2 亡霊の声を取りつぐ エン・ドルの口寄せの女
3 恋愛と政略結婚に翻弄される王女 ミカル

第4章 権威と権力を身に纏う女たち
1 王妃はマスカラをたっぷりと塗った イゼベル
2 神殿から引きずり出された女王 アタルヤ
3 王にも預言者にも夫にも媚びない シュネムの女

第5章 イエスと共に生きる
1 主のしもべ イエスの母マリア
2 イエスに触れる 長血の女とヤイロの娘
3 イエスの足元で学ぶ姉妹 マルタとマリア
4 悔い改めた娼婦 罪の女
5 イエスの同伴者 マグダラのマリア

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rinakko

13
例えば、マグダラのマリアと言えば当たり前のように元娼婦とされ、長く豊かな髪で描かれてきた(イエスの足を拭ったのは別の人物)。なぜそのような聖書の誤読が、文化的な刷りこみとして人々に影響を与えることになったのか…とか。忌み嫌われた王妃は本当に邪悪だったのか、5人の夫がいた女は非難されても仕方ないのか、“罪の女”を娼婦とする解釈は確かなのか。「女性」という「他者」の視点で聖書を見つめる。すこぶる面白かった。2020/12/09

rinakko

6
再読。エデンの園を追われるエバから、復活のイエスに出会ったマグラダのマリアまで、女性たちを軸に聖書全体を俯瞰する試みが面白い。古代の男性中心文化における「他者」の視点で、様々な難儀が降りかかったヒロインの姿が浮き彫りになる。王国の実権を握るアタルヤ、救いのない物語の名もない少女、イスラエルの神に運命を賭けるラハブ、大国の指揮官を殺めるユディト。忌み嫌われた王妃はそんなに邪悪だったのか…。“マグダラのマリアが娼婦だったというのはファンタジーにすぎない” が、では何故そのような誤読が中世において定着したのか。2025/06/20

マリア・マルタ

2
聖書に不案内な人にもわかりやすく腐心されたと思われ、女性たちの人物像や人生から旧新約聖書の壮大な物語をたどれるようになっています。 各章のはじめに大まかな歴史の流れが客観的な筆致で説明され、それがよくまとまっていて納得。 しかしその解釈は、やはりある程度の聖書知識が下地にあってこそわかる、常識を覆す面白さ! 聖書は読んでみてるがイマイチ宗教的な記述がわからんなーという経験のある読書家にオススメ。 また、聖書の物語ならひととおり知ってるのよ~という読書家には「えっ、そう来る?!」と言わしめるはず。2021/01/05

ころりん

1
聖書に登場する女性たちに注目しながら、聖書の物語を俯瞰する。 時代時代の文化・価値観を紹介しながら、伝統的解釈・現代的色眼鏡を批判し、解釈の幅を広げてくれる。 サラにとってアブラハムからファラオに「売られた」傷の深さ。 狂王サウルに真実を尽くした霊媒女。 兄にレイプされたタマルを、父も実兄も黙らせた事実。 家父長権という暴力を、あぶり出してくれる。 全部の読み方に賛同はできないけれど、「そんな読み方が!」と思わせてくれる贅沢な読書。 いや今、女性が、聖書に重ねて訴えている叫びは、確かに聖書のメッセージです2021/03/13

nekomeys59

1
聖書で語られる数少ない女性たち。聖書を正統的に読み解くだけでなく、彼女たちの心情や内面も読み解いている。本書から、聖書で聖者扱いされる男性達の不条理な扱いも描きつつ、そこから逞しく生きていた女性達や、やむなくそれに屈する人生。ジェンダー的な事に引っかかる聖書も、本書のように読み解けば、女性達の一大人生物語として面白く読める。2020/12/29

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