内容説明
母親がスーパーで買い物をするわずかの間に、6歳の少女が忽然と姿を消した! 12年後、フリーライターの飯塚桃子は、事件についての本を書き上げるため、当事者や関係者たちへの取材を重ねていく。それぞれの人物の言葉から浮き上がってくる驚くべき真実、そして少女と母親を待ち受ける運命とは? 1章ごとにがらりと変貌を遂げてゆく極限のミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
68
小学一年生の女子が忽然と姿を消した事件を、発生から12年後に取材する女性ライター。両親、祖父母、警察ら当時の関係者にインタビューを重ね事件を浮き彫りにしていく…のですが、予想外の展開をみせます。三章からなる本作品は、一章が子供を失ったのを契機に夫婦関係が崩壊した姿を描いているので、この路線で顛末が語られるのだろうと思いました。しかし、失踪した子供の行方、そして…となり、タイトルの諦めない女たちの物語と気づきます。ライターの当初の毒々しさが失われたり、サプライズが不発に終わったりと、残念さが否めません。2022/12/18
エドワード
37
小学1年生の沙恵は、母の京子がスーパーで買い物中に誘拐される。父の慎吾を初め親類の皆が諦める中、京子だけが娘の生存を信じて待った。そして7年後、沙恵が戻って来る。誘拐の真相、7年間の沙恵の生活とそこで彼女が得たもの、驚きの連続だ。離婚した京子は喜びに震え、京子と沙恵の二人の生活は順調に進んだが…。13歳の沙恵に6歳の少女のように接する京子。フリースクール、定時制高校、成長していく沙恵は京子から離れていく。突然起きる悲劇。自分自身で考え、自分で道を切り開く沙恵の何と力強いことか。諦めない女は、沙恵だったね。2022/11/09
のんちゃん
30
12年前、6歳の少女が母親が買い物途中、ちょっと目を離した隙に忽然と姿を消す。そのルポを書きたいライターの桃子は、関係者に話を聞きに回る。あぁ、よくあるインタビュー型小説かと思っていたが...‼︎という話。「章がかわるごとに訪れるサプライズ!」は本当だった。娘の生存を最後迄諦めなかった母親。だが本当の意味での諦めない女とは誰の事を指していたのか。子供が行方不明になった母の気持ちは、昔、何度も迷子になった次男で経験済み。話のその部分はその時の自分の気持ちが蘇り私も苦しくなった。作中の母親には少し同情した。2021/06/24
きたさん
24
あらすじの「一章ごとに、がらりと変貌を遂げてゆく」という言葉が全く大げさではない、読んでいながら思わず「えっ」と声を上げてしまう展開が衝撃的でした。いい意味でも悪い意味でも、「女の執念」というものを描いていた作品だったように思います。話の発端が子どもの行方不明事件であることも含め、決して読み心地のいい作品だとは言えませんが、漠然とした読書の満足感は得られたように感じました。2023/03/10
ROOM 237
20
極限状態が続いてヘトヘトになるミステリ、名付けてヘトミス©️Room237。小さな少女がある日突然スーパーから居なくなり、両親や関係者にインタビューする記者の目線で進行していく。章が変わるごとに「え?!」と驚きの声が出る反面、居なくなった経緯と目的は実際に現実でもあるだろうと思う。何を書いてもネタバレになりそうですが、諦めない女は強い。2020/12/01